テラーノベル
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その日から。
少しだけ、変だった。
いや。
正確に言うと――
聡が変。
……じゃない。
勝利が変。
「勝利様」
呼ばれる。
低い声。
いつもの声。
なのに。
なんか、変に意識する。
「……なに」
ぶっきらぼうになる。
すると。
聡が少しだけ首を傾げる。
「顔色が悪いですが」
「悪くない!」
即答。
いや、違う。
悪いのかも。
なんか落ち着かない。
原因は分かってる。
たぶん。
……いや、認めたくない。
勝利はソファへ顔を押し付けた。
(なんなんだよ……)
最近の聡。
距離近い。
頭撫でる。
優しい。
普通に守る。
泣いたらあやす。
徹夜でパーカー直す。
しかも。
「守りたくなったので」
あの言い方。
反則だろ。
思い出すだけで変になる。
心臓がうるさい。
「……意味わかんない」
ぼそっと呟く。
その時。
「勝利様」
後ろから声。
近い。
近すぎる。
「うわ!?」
勝利が飛び上がる。
聡が少し目を瞬く。
「どうしました」
「近っ!!」
「呼びましたが反応がなかったので」
真顔。
むかつく。
でも顔がいい。
……いや違う。
何考えてんだ。
勝利は慌てて顔を逸らす。
その時。
聡が自然に額へ手を伸ばした。
ひやり。
「熱はなさそうですが」
「っ」
近い。
近い近い近い。
顔。
距離。
落ち着いた匂い。
低い声。
無理。
心臓うるさい。
「……勝利?」
少しだけ心配そうな声。
その瞬間。
どくん。
胸が跳ねる。
勝利が固まる。
(……え)
今。
なんで。
こんな。
聡が少ししゃがむ。
目線を合わせる。
「体調が悪いですか」
優しい声。
また。
どくん。
心臓。
うるさい。
やばい。
なんだこれ。
なんで。
なんで、こんな――
その時。
ふっと思い出す。
泣いた時。
抱き寄せてくれた。
「泣いていいです」
眠れない夜。
「ちゃんといます」
パーカー。
「あなたの大事なものですから」
そして。
眠そうな顔。
弱音。
誰にも見せない顔。
全部。
全部、頭に浮かぶ。
勝利の呼吸が少し止まる。
(……あ)
静かに。
でも。
確信みたいに落ちてきた。
――好きだ。
聡のこと。
たぶんじゃない。
普通じゃない。
護衛だからとかじゃない。
安心するからとかじゃない。
もっと。
ずっと。
特別。
勝利の顔が一気に熱くなる。
「っ……」
やばい。
無理。
終わった。
聡が少し眉を寄せる。
「本当に体調が――」
「近い!!」
反射で押し返す。
聡が珍しく少し止まる。
「……すみません」
「いや、違……!」
違う。
違うけど。
違わない。
やばい。
好き。
え。
まじ?
なんで!?
勝利はソファに顔を埋めた。
「……終わった」
ぼそっと呟く。
聡が少し困った顔になる。
「何がですか」
勝利は顔を上げない。
無理。
顔見れない。
だって。
好きな人の顔だ。
「……なんでもない」
声が小さい。
すると。
聡は少しだけ沈黙してから。
ぽん。
いつもみたいに、頭を軽く撫でた。
「無理はしないでください」
低くて優しい声。
その瞬間。
勝利の心臓がまた跳ねた。
(……終わった)
ほんとに。
もう完全に。
好きだ。
#会話部屋
周杜.
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コメント
1件
わああ〜〜〜!!!😭💕💕 第22話、めっちゃエモかった!!勝利くんの「好き」自覚、きたね!?心臓バックバクで読んだよ…「終わった」連呼するとことか、頬染めてソファに顔埋める感じとか、もう完全に恋する男子じゃん!!💘 聡くんの「守りたくなったので」って過去の台詞がフラッシュバックするところ、あれ反則すぎるでしょ…!😇 無自覚に距離詰めてくるクールイケメン、無敵すぎる…。ずっと見守ってきたからこそ、勝利くんのこの戸惑いや自覚に胸がギュッとなったよ…!続きめっちゃ気になる…!!