テラーノベル
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オーブンの中に入ると、一気に視界が開ける。
「ここは…パン屋?」
するとたまごが説明する。
「どうやらオーブンの中に入るとユニークフィールドにつながるようになっているらしいですね」
その瞬間。
ギュルギュルギュルギュル!!!
横から回転する何かが突っ込んでくる!
ギャリギャリギャリィ!!!
「…っ!」
僕は寸前で衝撃波を展開し、攻撃を相殺する!
すると別方向からも斬撃が飛んでくる!
その時――
「アビリティ発動!」
突然にんじんが大量に放射され、斬撃を破壊する!
「にんじんさん…ついにアビリティを…!」
「何かできたな」
すると一際大きい声が響く。
「おいおいおい、どこのもんだァ?」
「勝手に侵入は控えていただきたい」
「YO!クロワッサン!フランスパン!」
「お、ピザじゃねーか。じゃ、後ろのやつはァ…」
「ペパロニピザを倒した輩か」
すると二人のパンは僕達の方を向く。
「よお、俺ぁクロワッサン。アビリティは斬撃」
「我、フランスパンなり。アビリティはフランスパンドリルだ」
「ふたりともパン協会の幹部だYO」
「えぇっ、幹部?!え、えっと、僕はりんご。アビリティは衝撃波。よろしく!」
「…にんじん。…アビリティはにんじん操作」
「あたしはみかん!アビリティはまだないよー♪」
「ワタクシはたまごであります。アビリティは超能力ですぞ」
「今日はこいつらをボスに会わせたくて来たYO!」
すると二人の顔が青ざめる。
「あ、あのなァ…今はボスが不機嫌なんだ。どうも探し物が見つからないとか…」
「…ボスの部屋に入ったら一瞬でやられるぞ」
「そうか…残念だYO」
「じゃあ、もう帰ったほうが――」
バキバキバキ…ゴゥォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
「見つけたぞ…俺様の探し物…!」
カウンターにおいてあったガラスのケースが竜巻で破散する!
「ぼ、ボスだYO?!」
ヒュルヒュルヒュル…ダァン!
ボスと呼ばれたパンは床に着地する。
「おお、おお!やっと見つけた、我が兄弟りんごよ!!!」
「……は?え?きょ、兄弟…?」
「おおっと自己紹介が遅れたな。俺様はアップルパイ。パン協会のボスにして、お前の兄だ!」
「た、たしかにアップルパイ…まあ、納得はできるけど…」
「では行くぞ、宴だ!」
「…へっ?」
ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!
「うぉっ、うおぉぉぁぁぁぁ?!?!」
竜巻が一瞬でりんごを空中に投げ飛ばす!
「すまねェ、こうなったボスは気が済むまで暴れるんだァ…俺達も本気で行くぜ」
「我もだ」
――こうして、僕達とパン協会の戦い(?)が始まった。
つづく
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