テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
(この話は本家東京ディバンカーメインストーリーとはなんも関係ありません。後おそらくヴァガストロム寮のメリバになると思います。ご了承ください。)
今回の任務はヴァガストロムのグール達とだった。いつも通り監査役として任務に同行していた。今回の任務も難易度が高いらしい。だが、それはいつも言われている事だった。だから皆も、「またか」と言わんばかりの顔をする。私はそこで安心してしまった。
まぁ、それも仕方の無い事。なぜならヴァガストロム寮長は、まっすぐ見つめる瞳の奥に信念、覚悟を宿らせている力のある男だ。副寮長は頭の回転が早く、その洞察力は凄まじい、頭脳派の男。 そして最後のグールは、多趣味でなんでも器用にこなしてしまうハイスペックな男だ。
そんな寮長、 亜嵐を始めとした副寮長玲音、その相方翔平がいるヴァガストロム…だから私は安心してしまったのだ。この界隈で…任務で、安心なんて言葉が通用するはずがないのに…。
任務内容はいつもやっているような内容だった。巷での怪異の出現、原因を探りあわよくば確保する。だが、私は違和感を感じた、そこでもう一度資料を読み直すことにした。【内容、電車に乗ると行方不明になる。未だ帰ったものはいない。】こんなざっくりした内容で…そう思った。しかし、どうしても違和感が消えない、どうして、?
一人で悶々と考えてる時、ふと翔くんが発した言葉で、違和感の正体に気づく「電車で行方不明って、なんか怖い話でよく聞くよな、なんだったけな、きさらぎ駅だとか何とか…また面倒くさそうな任務だなこりゃ…」呆れたように呟く翔くん。でも私はその言葉に酷く脈打つ。なぜなら、私が呪いをかけられた場所がそのきさらぎ駅だからだ。私の呪いの原因はキクロスだから、もしかしたら駅自体は関係ないかもしれない。しかし、もうキクロスになってしまう呪いまで1ヶ月を切っている状態だ。今までキクロスの呪いを解くチャンスは何回もあった。だけど結局上手くいったことは1度もない。そこで諦めかけてた時、玲音くんに「君が泣こうが喚こうがどうせ『その時』は来るんだ。だったら何度でも傷つけよ。泣いて喚いて抗って見せろよ。黙って死ぬより100倍増しだろ!」そう言われた。その通りだ。だから私は泣いて喚いて抗う、キクロスになる呪いをなんとしてでも解きたい。その為に少しでも手がかりが欲しい。だが任務内容は、【電車に乗ると行方不明になる。未だ帰ったものはいない。】だ。つまり電車で行方不明になる🟰きさらぎ駅と確定した訳では無い。それでも私はいつも以上にこの任務に力を入れるべきだと思った。その時の私は『手がかり』さえ手に入ればいい。そう思っていただけだったのに…。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!