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学校が始まって約2週間がたった。
木曜日、ないくんと一緒に帰る約束をしていた。
前の日に帰ろうねって約束をして。
俺はそれを楽しみに学校にきていた。
体育が合同で授業が終わり、ないくんに話しかけられる。
桃「今日帰れないから。」
赤「え.?なんで!?」
これもいつも言う冗談だ。
ないくんは優しいから一緒に帰ってくれる。
桃「モブきさんと帰るから。」
赤「….は?」
モブきさんとは、ないくんのことを狙っているであろう女子。
嫌だからあんまり近づかないでと言っていた。
でも俺に意地悪をしたいせいかいつもこう言ってくる。
赤「意味わかんない。なんで?」
桃「誘われたから。」
赤「俺は昨日から誘って約束までしてたじゃん。」
桃「じゃあどうすればよかったん?」
赤「断ってよ‼︎りうらのこと断れるぐらいならさ!あっち断ってきてよ。」
桃「自分で言ってきなよ。」
周りにないくんの友達もいるため、付き合っていると言う話は出せない。
それがすごくキツかった。
赤「は?誰に何をいってくんの。」
桃「だからモブきさんに。帰んないでって。」
赤「なんで俺が言わないといけないの?自分で言ってきなよ。」
赤「ほんっと意味わかんない。」
言い合いをしているうちに教室についてしまう。
俺は黙ったまま教室に入って行った。
後ろから
桃「結局毎回帰ってあげてるんだからいいじゃん。」
と言う声も無視して。
そこから帰りまで、目も合わせず、会話もせずだった。
でも俺はないくんと帰るつもりだった。
水「りうちゃーん。今日誰かと一緒に帰るん?」
赤「ごっめーん。俺今日帰る人いるんだよね。」
水「ああーそうなんだ!今日、帰る人いなかってさー!!ごめん!楽しんで!」
ほとけっちは俺がまだ片思いだと思っている。
ずっと応援してくれてるから申し訳ないけど。
帰り、俺のクラスが早く終わったから、玄関で待っている。
“あ、いた。”
赤「ないくー…ん。」
ないくんは俺を無視してどこかにいってしまう。
少しだけ、目をそらしたら見失ってしまった。
“めんどくさ。“
少し先を歩くと、モブきさん含むたくさんの人を連れていた。
“もう、いいや。”
赤「ほとけっちー!帰れなくなっちゃったっぽいから一緒に帰ろー!」
水「えぇ!?そうなの?!一緒帰ろー!」
そう言ってないくんとは逆方向に歩き出す。
ないくんがこっちを見ていたのは気のせいだと思って。
水「帰る人大丈夫だったのー?!」
赤「うん…!全然だい”じょうぶ”….」
これは涙じゃない。
俺は泣いてない、
泣いてない。
そう、自分に言い聞かせながら歩く。
幸い、ほとけっちもきずいていないようだった。
水「◯◯くんがー!!」
ほとけっちの恋愛相談に乗りながら歩く。
正直辛い。
赤「ごめんね!今日お母さん迎えきちゃうかもしれないから!こっち曲がって帰るね‼︎気をつけて!」
水「そうなのー!?ありがとう!またね!!」
ここを曲がるとないくんと合流できるかもしれない。
合流なんかしたくない。
もう、ないくんなんていい。
どうでもいい。
俺のことを考えさせてやる。
会いたい。
会いたい。
一緒に帰りたい。
不運なことに、俺の方が少し早かったようだ。
後ろから楽しそうな声が聞こえてくる。
それと同時に俺の足のスピードも早くなる。
気づいたら後ろにはないくんはいなく、どこかで曲がったようだった。
俺の目からは涙が出てきていた。
この涙は、
置いていかれた涙と。
俺を追いかけてくれなかった涙と。
家に帰りたくない涙と。
1番は
もう何もかもがいやだと言う涙だった。
気づいたらすぐ後ろにないくんたちがいて、
俺の名前を読んできた。
桃「りうらー!!」
桃「あれ?泣いてない?」
追いつかれたくない。
涙を見せたくない。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
足のスピードを早める。
でも、生憎信号で止まってしまった。
ざっと7人くらいを連れている。
桃「りうらー。」
赤「なに。」
桃「ごめんね。」
赤「別に怒ってない。」
そう、怒ってないの。
怒ってないんだよ。
俺は家に帰りたくないだけ。
もう嫌なの。
桃「怒ってんじゃん。」
赤「怒って”ないし”ポロ」
桃「なんで泣いてんの。」
赤「…..,。」
桃「俺がモブきさんと帰ったから?」
赤「ちがう。」
桃「絶対そうじゃん。」
赤「ちがうって言ってんじゃん。」
そう言い合いをしていても涙は止まることなく、流れ続ける。
話していたらないくんの家の前までついてしまった。
気まずくなったのか、他の人たちは帰ってしまう。
桃「ごめんって。」
赤「だからないくんには怒ってないって。」
桃「じゃあ、明日一緒に帰ってあげるから。」
赤「いいよ。金曜日忙しいんでしょ。」
ないくんはサッカーをやっていて、毎日忙しそうだ。
桃「いや、大丈夫。」
桃「6:45からだから。」
赤「大変じゃん。宿題とか。」
桃「学校で終わらす。」
赤「…….。」
なんで。
なんでそんなことを言うの?
ほっといてよ。
めんどくさいやつって。
桃「で、なんで泣いてんの?」
赤「別に。」
桃「別にじゃないでしょ。」
赤「関係ないことだから。」
桃「関係あるね。」
赤「…….。」
桃「じゃあ、明日帰ってる時に言ってくれればいいから。」
赤「コクン」
ここがないくんのいいところ。
すぐ結論を迫ってこない。
赤「絶対?」
赤「絶対に帰ってくれる?約束?」
桃「うん。絶対だよ。」
赤「やったーポロ」
桃「じゃあね。」
赤「また明日。」
ないくんと別れてからもこの涙はおさまることはなかった。