テラーノベル
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お母さんたちが任務に行ってから2日が経った。まだ帰ってこない。いつもなら数時間で帰ってくるのに。レヴィもいつもより面持ちが重い。海斗には詳しい内容は話してないけど、これだけ帰ってこなければ心配するだろう。
「お母さん、お父さん、お願い。おかえりって言わせて…」
私は毎日祈っている。お母さんたちが無事に帰ってくると。
ー御神愛sideー
「前方右、注意して」
「あぁ、わかっている」
成也とこなす任務で今回が1番厳しい。もう私は手負いになってしまった。左腕は上がらず、額にも傷を負った。成也はかすり傷程度が何箇所もあるけど、まだ動ける。私たちは標的を拘束するまで負けない。負けてられないのだ。
「愛楽と海斗とレビはちゃんとご飯食べてるかしら」
「愛楽がいるから大丈夫だよ」
「そうよね。早く帰りましょ」
「あぁ。今日こそ帰るんだ。俺たちの家に」
やっとできた、幸せな家。昔は知らなかった愛情も、今は自分の子供に与えることができてる。こんなに嬉しいことはない。だから、帰らないとダメなんだ。ダメなのに…。
「見つかった、応戦するぞ!」
「わかってる!」 バンバンバンッ
標的の用意した護衛が強すぎて、任務が進まない。私が遠くから銃で狙っても、成也が近くからナイフで狙っても、全てをかわすか受け流されてしまう。反撃も丁寧。上手いし手数も多い。このままでは私たちがやられてしまう。
「愛!後ろだ!!」
「ッ、ゔぁああ!!」
後ろから不意を突かれた。痛い。脇腹に鈍い痛みが突き刺さって熱くなっていく。このままだと死んでしまう。止血しなければ。でも、そんな隙はない。つまり、死…。
「諦めるな、止血しろ!!俺が2人を片付ける!」
成也の声が聞こえる。目が覚めた。こんなところで死んでられない。もう一息なのだから、もっと頑張れ。もっとできるはずなんだ。動け、私の体。
「ふぅ…ッ、う、はぁっ!覚悟しろ。これが、母親の意地だ」
「片腕動かないやつが何したってムダだ。銃だけで殺そうなんて…」
「だから!!」
一気に近づいて、男の間合いの内側へ入る。左手で男の胸元を掴んだ。
「な、なにを…!?」
「これが母親の意地なんだってぇぇええ!!」
男の下に入り、腕を振った。男はそのまま大きく回り、背中を打ち付けた。私は両足を撃って走れないようにする。
「ぐっ、ああぁああ“!!」
「終わりだ」
「こっちも、やっと終わったぞ」
「護衛がいなくなれば…アイツは手の出しようがない。早く拘束して…ッ」
左腕と脇腹に痛みが走る。血が滲んでいる。こんな状態じゃ成也のスピードについていけない。
「君はここにいるんだ。あとは俺がやる。止血をして、左腕は動かさないで」
「…ごめん」
成也は走って標的のところへ向かった。私は止血に専念する。思ったより傷が深い。刺さったナイフは抜かずに、そのままの状態にしておく。
意識が遠くなっていくのがわかる。ダメだ。こんな所で気を失ってなんかられない。帰ってご飯作って、テレビ見て、お風呂入っておやすみって言うんだ。だから、あと少しだけ耐えろ。
輝瀬黒(ペア画中
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コメント
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読み終わりました。任務中のお母さんたちの視点、すごく重くて苦しいけど、逆に「帰る場所があるから戦える」っていう芯の強さが伝わってきました。特に「母親の意地だ」って叫んで片腕でも男を投げ飛ばすシーン、胸が熱くなりました。愛楽ちゃんの祈りがどうか届きますように…。