コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「べるちゃん!!窓みて!桜咲いてるよ!!」
本当に綺麗だった______
ーーーーーーーーーーーーーーー
ジリリリリ
アラームの音が鳴り響く。
あぁもう!鬱陶しいな!!
渋々体を起こす。
そして音源の元凶を止める。
「今日はまだゆっくりしてても大丈夫か、、、、大学今日休みだし、、、、」
何も通知の来ていないスマホの画面を解除する。
ロック画面とホーム画面は彼氏のさもくんとのデートの写真。
うららかな春の日。
開けていた窓から桜の花びらが入ってくる。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ちっちゃい頃。
私は体が弱かった。
今は完治している、、、、らしい。
そんな中支えてくれていたのは幼なじみであるさもくんだった。
出会ったのは幼稚園に入るちょっと前の親同士の集まりだった。お母さんが遊びに行くよと言われ連れられた日さもくんの家に行った。
「久しぶりね〜子供出来てから会えてなかったし〜」
「ね〜本当は去年ぐらいには会いたかったけどね〜」
奥からひょこっとオレンジ色っぽい男の子が顔を出す。
「ほらべる挨拶しなさい?」
「こんにちは〜」
あれ、、?
合ってるのかな、、?
「こ、こんにちは、、、」
奥の方からひっとりと帰ってくる。
何かを察したのか男の子のお母さんから話しかける。
「ごめんね〜この子人見知りなの〜それでも春から幼稚園で一緒だから仲良くしてやってね〜向こうで2人で遊んでて〜」
「こ、こっちだよ、、、、」
軽くパーカーを引かれてリビングに連れていかれる。
「え、絵本、、、、読む、、?」
「うん!」
「こ、これなんだけど、、、、」
「これ私も好き!」
「ほんと?」
「この絵可愛いよね」
「うん!」
あっ笑ってくれた、、、、
「じゃあ、、、、」
そう言って本棚の奥の方からもうひとつの絵本が取り出される
「これ知ってる?」
こないだ買って貰ったやつ!!
「うん!!」
「ほんと?」
「色んなもの一緒だね!」
「うん!」
「べるちゃんさ、、、、次これで遊ばない、、?」
あっ名前呼んでくれた、、、、!
なんかよく分からないけど嬉しい。
ーーーーーーーーーーーーーーー
幼稚園に入った。
ただ度々体調を崩してあまり行けてない。
今日も体調を崩してベッドの上に1人だった。私もみんなと遊びたいのに、、、、
てか今日卒園式だ、、、、
いっぱい練習したのに、、、、
私もみんなと出たかったな、、、、
「べるちゃん!」
「さも、、、、くん?」
ただ、、、、さもくんだけは遊びに来てくれる。
「今日卒園式だったんじゃないの、、?」
「うん。もう終わったよ??」
「そっか、、、、」
「べるちゃん今日1人で寂しかったの?」
「、、、、うん」
「僕いるからね」
「、、、、うん!」
ぎゅっと握られる。
パーカーじゃなくて手を。
「桜綺麗だね!」
「うんっ!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
小学校に上がった。
依然体は弱いまんまである。
体育は出たことがない。
みんな楽しそうだなぁって感じ。
別に元から体力がある訳では無いから口が裂けても嬉しいだなんて言えない。
だって自分ですらどんな病気か分からないからもしかしたらまた悪化して寝込んでしまうかもしれないから。
みんな楽しそうでいいなぁ。
ただとりあえず小学校の3年間で親友はできた。
「べる!!公園で遊ばん???」
「いいけど鬼ごっことか出来ないよー?」
「いいじゃんいいじゃん!!いこっ!」
「まぁななっし〜がいいなら行くわ!」
「さもくんたちも来る???」
基本いつも一緒にいるさもくんななっし〜凸さんうたいさん
「ん!行く!うたいさんは?」
「、、、、行く」
ーーー
「べるかくれんぼならいける?」
「いける!!」
「ほなかくれんぼか」
「僕のことちゃんと見つけてよね」
「うたいさん探す側でも行く?」
「ぼーっとできないじゃんか」
「もうこれうたいさん探す側でいいやろ」
「えっこれマジで僕が鬼なやつ??」
「うん!!」
「わかったわかった。2分後探すから適当に隠れてて〜」
ーーー
どうしよう、、、、
この公園広いけど隠れる場所あんまりないんだよな、、、、
どうしよう、、、、
もうそろそろうたいさん探し始めちゃうよ、、、、!
「べる」
さもくんの声がする
「さもくん、、?」
「こっちおいで」
「?」
連れてこられたのは低木の後ろだった
「さ、さもくん!2人で隠れてたら見つかっちゃうよ、、、?」
「大丈夫。一緒にいよ?」
「うん!」
ぎゅっと手を握られる。
すごく胸の中が暖かくなった気がした。
ななっし〜は見つかっちゃったかな、、?
「ななっし〜さんみつけた!!!」
遠くでうたいさんの声がする
見つかっちゃうのかな、、、?
それとも見つかんないでずっとこのまんまなのかな、、、?
もし見つけてくれなかったら、、、、
「べる?大丈夫?」
「、、、、うん」
「体調悪い?」
「そ、そういう訳じゃなくて、、、、!うたいさんが見つけてくれなかったらどうしようって」
「なるほどね。体調悪い訳じゃなくて良かった!」
「何イチャイチャしてんのさ」
「わっ!?うたいさん!?」
「ほらね。うたいさんなら見つけてくれるでしょ」
「さもさんたちイチャイチャしてるから見つけやすいって話する?」
「、、、、」
「べるさん急に黙る時あるよね」
恥ずかしくてさもくんと目が合わせられなかった。
、、、、
しょうがないじゃん、、、、好きなんだもん、、、、
ーーー
気がつけばもう小学校6年生だった。
あっという間だった。
体調が悪くてそこまで行けた訳ではなかったけど、すごく楽しかった。
ななっし〜やうたいさんたちとも出会えて良かったと思う。
今日は運動会だった。
いつもこの時期は体調が崩れやすくて見学席にいることさえ叶わなかった。
けど今年は見ることができる。
「べる!そこから見ててね!」
「さもくんべるいるからって張り切ってるね〜」
「ね〜僕憂鬱なんだけど、、、、」
「うたいさん体育苦手だもんね。」
「さもさんは足速いからいいよね〜」
「そうかな〜?まぁいいや!行ってくるね!」
「行ってらっしゃい!」
ただ1人。
ポツンとクラスの席に座る。
種目は徒競走。
さもくんが走るのは最後の方
凸さんと一緒だからやばいかもって言ってたな、、、、
、、、、
気がつけばさもくんとの間に大きな空白ができていた。
テストも全部満点で運動もできて音楽もできてセンスも良くて。
ほんとに弱点なんて1件見当たらない。そんな存在になっていた。
到底
私なんかじゃ追いつけないし、釣り合わない
それなのに私は、、、、さもくんのことが好きである。
病弱で学校に行くことですら不安定なのに近くにいることでさえ本当は厄介だと思うのにそれでも手を伸ばし続けてくれるのはさもくんがきっと優しいだけ。それに甘えて好きなだけなのかもしれない。けど、、、、
「6年男子徒競走最後です。第1レーン凸もり______」
気がつけばさもくんの番だった。
ってことはうたいさんたちの見逃しちゃったのか、、、、
申し訳ないな、、、、
「第4レーン、さぁーもん」
アナウンスが終わると同時に前の方に4人が出てくる。
その時さもくんと目が合う。
たった一瞬だった。
それでも「俺を見ててね」そんなことが伝わってくる。都合のいい幻想だったのかもしれない。息を呑むようにしてさもくんと凸さんの行く末を見守る。
「よーい」
「ドン」
ピストルの音がする。
それと同時に一斉に走りだす。
特にフライングもなくそのまま走り続ける。
最後だからかみんな足が早い。
ずっとさも君と凸さんが1位と2位争いをしている。
そして勝ったのは、、、、
さもくんだった
遠くからでもわかるぐらいニコニコしながら1位のところへ行く。
みんながさもくんを褒めている。
いいなあそこに混ざりたいな。
私があっちの方に行くことできるのかな?
「べる?」
「へっ!?さもくん!?」
「戻ってきたよ?」
「おかえり!見てたよ!さすがさもくん!すごいね!」
「ありがとう!戻ってきたのにべる反応しなかったから心配したじゃん」
「ごめんごめん」
「あっー!!!!悔しいー!!」
「良かったね2位だよ凸さん!」
「うたちゃんは最下位だったでしょーが!」
「だって僕運動嫌いだもん!」
「さもさんさもさん!もう1回!!!」
「ほなやるか〜とはなんないのよ」
「凸さん惜しかったね〜!」
「ななっし〜聞けよ!さもさんがー!!」
「はいはい2位おめでとさん」
「ねぇうたちゃん!!ななっし〜が煽ってくる!!」
「えぇいつものことじゃん」
「うっさい!」
小学校最初で最後の運動会はとても楽しかったな______
ーーー
二学期は調理実習が始まった
私は料理好きだからもっとやりたいけど小学校のうちは簡単なのしかやらないらしい
「今日は簡単にみんなでお味噌汁を作ってみましょう!」
調理実習はグループで行う。
いるのはいつものさもくんとななっし〜とうたいさん
そもそも凸さんとはクラスが違うから一緒にすることは叶わなかった、、、、
ただ1つ問題があるとすれば、、、、
「僕おにぎり食べたい、、、、パンでもいいけど」
「もっとこれ豪華にしたくない??」
「俺無理かも」
この班致命的に私以外料理が出来ないのである。
「ほ、ほら具材のほうれん草切ろ、、?」
「うたいさんはボーッとしがちだから鍋に水でも入れといて!」
先生はどちらかといえば前である程度の指示をするだけで基本見守っているから、実際は自分たちが主体でやらないといけない。
つまり何が言いたいかといえば、、、、
私以外ほぼ料理が出来ないので実質私だけ授業受けているということ
むしろうたいさんなんてボーッとし始めている
あーあ、、、、
早く終わんないかな〜
ーーー
あっという間の6年間だった。
今は或程度体調が落ち着いていて少しだけ体育に出れたりみんなと遊ぶことが出来た。
すごく楽しかった。
小中高大一貫校だから中学に行ってもメンバーが変わることはない。
きっときっとこの先もみんなと楽しく過ごすことができる。
期待と不安を抱いて中学へと進学する。
桜が舞い落ちる春の空の下で