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「田尾さーん、大丈夫?直美さーん」
「お母さん、アオちゃん」
「あああ…アオちゃん…アオちゃん、どうぞ…入ってくれる?」
「ハイハイ、失礼しますね。まだおられるようやね」
と、部屋に入ってきたアオちゃんは、お巡りさんに挨拶をしてから
「あああ…泣いてたん?亜優ちゃんやね?ばあばの友達の葵ですよぉ。これ…えっと…これこれ、亜優ちゃんはねずみん好き?おばちゃん、シールいっぱい持ってるねんけど…」
バッグからねずみんのシールシートを出して亜優にくれた。
そして泣き止んだ亜優に
「亜優ちゃん、なんで泣いたかなぁ…教えてくれる?」
と、抱かれたままの亜優より下の目線になって聞いた。
「…おこってる……ぱぱといっしょみたい…おこった…こわい…まま、しーるする…」
「亜優、ばあばに紙もらって…」
「ばあば」
亜優がバタバタと抱っこから降りると、母と手をつないで部屋を出た。
「亜優ちゃんには可哀そうな日やけど、証言が取れたね。こちら中西さん?」
私に確認したアオちゃんは、夫に送付済という書類のコピーを夫の両親に手渡した。
「息子さんが応じられなくても、裁判所で離婚が認められるパターンですし、条件付きの面会交流しか認められない可能性の高い事案です。辛い思いをした直美さんと亜優ちゃんに、これ以上の苦痛を与えないようにお願いいたします」
この日のアオちゃんが予言したかのように、夫は離婚に応じようとしなかったので裁判所の調停手続きへと進んだ。
彼の両親は翌日には釈放されていたけれど、その事実があるから夫はここへは来なかった。
私はとにかく亜優と一緒に過ごすことにした。
私の知らないところで、亜優が怒られていたことがショックだった。
家族に隠しておいていいことはない。
私は両親と姉夫婦には、また全てを話した。
すると、姉の旦那さんが
「亜優ちゃん、大人の男が怖いってことはなさそうやから、まだ重症ではなかったかな。僕もこの後、気を付けて接するけど大丈夫そうやで」
と、言ってくれた。
ありがたいことに、姉の旦那さんもその実家の方たちも、亜優とたくさん関わってくれる。
そのおかげで亜優も明るいし、母も休憩できるし、私も仕事を再び考え始めた。
離婚調停期間は半年程度かかることが多く、それ以上かかることもあるというので、決着がつくまで待っていられない。
風子さん…お花屋さんで働いているかな
と…調停中ではあるが、半歩進み始めたとき
「直美」
夫が現れた。
コメント
1件
来た…😱 どんな言い訳をするんだろう。 直美さん気持ちをしっかりと持って! なんかされそうになったら頑張って大声で出して〜!