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ただのあまとう
189
#stgr
ポテサラ
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まるまろ
3
39,263
砂しか無い。
前も。
後ろも。
右も左も。
見渡す限り、先の見えない砂漠が続いている。
「……飽きた」
「まだ一時間くらいしか歩いてないよ」
「嘘だろ」
気勢を削がれ、諦めて空を見上げる。
やっぱり、空だけが異様に青い。
雲ひとつ無い快晴。
なのに、どこか現実感が薄かった。
隣では、らっだぁが鼻歌混じりに歩いている。
本当に楽しそうで腹が立つ。
「……なぁ」
「ん〜?」
らっだぁは前を向いたまま返事をする。
「結局、この世界ってなんなんすか」
らっだぁは少しだけ歩みを止めた。
「“はてしない世界”」
「はてしない世界?」
聞き返すと、らっだぁは頷く。
「そのまんまだよ。何処までも続く世界」
「何処までも?」
「うん。終わりが無い」
さらっと言う。
まるで当たり前のように。
「……いや意味わかんねぇって」
世界に終わりが無い?
そんなこと有り得るのか。
らっだぁは小さく笑う。
「ぐちつぼの居た世界にも、平行世界って考え方くらいあったでしょ?」
「あー…まあ、ファンタジーとかでは」
「ここには、それが実際にある」
青い羽織が揺れる。
「生き延びた世界。滅びた世界。違う選択をした世界。似てるけど、全然違う世界」
らっだぁは空を見上げる。
「無数の平行世界が、この“はてしない世界”の中に存在してる」
理解が追いつかない。
世界そのものの大きさを、眼前に突きつけられたみたいだった。
「……じゃあ、俺の居た世界も?」
「あるよ」
即答。
「たぶん今も普通に動いてる」
その言葉に、少しだけ息が詰まる。
自分が居なくても、あの世界は続いている。
コンビニも。
通学路も。
スマホの通知も。
全部。
「……帰りてぇ」
ぽつりと呟く。
らっだぁは少しだけ目を細めた。
「帰れると良いね」
その言い方が妙に静かで、思わず顔を上げる。
らっだぁは笑っていた。
へらっとした、軽い笑み。
だけど。
一瞬だけ、
“帰れなかった誰か”みたいな顔をした気がした。
「……らっだぁって、」
前を向いたまま口を開く。
「何者なんすか」
風が吹く。
砂が流れる。
しばらく沈黙が続いたあと。
らっだぁは、小さく笑った。
「ただの旅人だよ」
その答えが、やけに遠く聞こえた。
NEXT=♡1000
好評みたいで嬉しいです(*´ω`*)
のんびり更新していきますね〜。
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