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砂しか無い。
前も。
後ろも。
右も左も。
見渡す限り、先の見えない砂漠が続いている。
「……飽きた」
「まだ一時間くらいしか歩いてないよ」
「嘘だろ」
気勢を削がれ、諦めて空を見上げる。
やっぱり、空だけが異様に青い。
雲ひとつ無い快晴。
なのに、どこか現実感が薄かった。
隣では、らっだぁが鼻歌混じりに歩いている。
本当に楽しそうで腹が立つ。
「……なぁ」
「ん〜?」
らっだぁは前を向いたまま返事をする。
「結局、この世界ってなんなんすか」
らっだぁは少しだけ歩みを止めた。
「“はてしない世界”」
「はてしない世界?」
聞き返すと、らっだぁは頷く。
「そのまんまだよ。何処までも続く世界」
「何処までも?」
「うん。終わりが無い」
さらっと言う。
まるで当たり前のように。
「……いや意味わかんねぇって」
世界に終わりが無い?
そんなこと有り得るのか。
らっだぁは小さく笑う。
「ぐちつぼの居た世界にも、平行世界って考え方くらいあったでしょ?」
「あー…まあ、ファンタジーとかでは」
「ここには、それが実際にある」
青い羽織が揺れる。
「生き延びた世界。滅びた世界。違う選択をした世界。似てるけど、全然違う世界」
らっだぁは空を見上げる。
「無数の平行世界が、この“はてしない世界”の中に存在してる」
理解が追いつかない。
世界そのものの大きさを、眼前に突きつけられたみたいだった。
「……じゃあ、俺の居た世界も?」
「あるよ」
即答。
「たぶん今も普通に動いてる」
その言葉に、少しだけ息が詰まる。
自分が居なくても、あの世界は続いている。
コンビニも。
通学路も。
スマホの通知も。
全部。
「……帰りてぇ」
ぽつりと呟く。
らっだぁは少しだけ目を細めた。
「帰れると良いね」
その言い方が妙に静かで、思わず顔を上げる。
らっだぁは笑っていた。
へらっとした、軽い笑み。
だけど。
一瞬だけ、
“帰れなかった誰か”みたいな顔をした気がした。
たまごはんちゃーはん
614
#CR
兎ゞ亜 @はじめたばかり
841
#青井らだお
兎ゞ亜 @はじめたばかり
602
#rd
兎ゞ亜 @はじめたばかり
913
「……らっだぁって、」
前を向いたまま口を開く。
「何者なんすか」
風が吹く。
砂が流れる。
しばらく沈黙が続いたあと。
らっだぁは、小さく笑った。
「ただの旅人だよ」
その答えが、やけに遠く聞こえた。
NEXT=♡1000
好評みたいで嬉しいです(*´ω`*)
のんびり更新していきますね〜。