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この最初の話は忍びの影と学園の陽から読めます。
今日は運動会前のリハーサル。
3年B組は紅白チームに分かれて騎馬戦の練習中。
むつるは紅組の先頭騎として出馬。
楓は白組の中央に配置されていた。
「……よろしく、むつるくん」
「やりすぎないように、ね」
ほのかが心配そうに言う
「……うん。気をつける」
むつるは手袋の下に忍術用の護符を仕込んでいたが今日は使わない。
だが、相手チームの動きがあまりにも遅すぎてーー
「……っ!」
白組の突進してきた騎馬がむつるのわずかな腕の動きでぐらりと傾いた。
フワッ
肩がぶつかっただけで、相手の先頭が勢いよく宙を舞うように落下!
「えっ!?」
楓の機転
(まずい……)
楓は即座に判断し、敵の騎馬の下敷きになりそうな子にダイブして守った。
「きゃー!ナイスセーフ楓ー!」
場は大盛り上がりだが、むつるは顔色を変えないまま帽子を深く被り直した。
教師の紫藤先生(実は忍者)は、遠くから見て小さくため息をついた。
(……抑えてるけど、ちょっと制御しなきゃだな)