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律に肩を支えられながら、華は救護室の椅子に腰を下ろした。
「す、すみません……私のせいで」
「謝るのは後です。まずは処置を」
律は慣れた手つきで救急箱を開け、消毒液とガーゼを取り出す。
膝をそっと押さえられた瞬間、華の胸は大きく跳ねた。
「少ししみますよ」
そう告げて、律は消毒液を滲ませたガーゼを膝に当てる。
「……っ」思わず声が漏れると、律が顔を上げた。
「我慢してください。すぐに終わります」
真剣に向けられた眼差しに、華は痛みよりも強く心を揺さぶられていた。
――こんなに近くで見つめられるなんて。
頬の熱が収まらず、華は視線を逸らすしかなかった。