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──お酒を飲みながらソファーでゆったりとくつろいでいると、さっきまで車の中でまどろんでいたこともあって、なんだか眠たくなってきていた。
ふあ~……と、小さなあくびを噛み殺す私に、
「理沙、眠いの?」
と、天馬が心配をして声をかけてくれる。
「ううん…大丈夫」
首を振って、眠気覚ましのつもりでグラスの中身をごくっと飲み干した。
「大丈夫とか言っといて、本当はねみぃんだろ?」
銀河が空になったグラスに氷を放り込んで、ハイボールを作ると、
「…ほら」と、私に手渡して、「あんま飲むなよ?」と、付け足した。
「……わかってるってば」
天馬に気遣ってもらった時には何も感じなかったのに、銀河に気を遣われるとなぜだか妙に気恥ずかしかった……。
「寝たら、おまえに襲われるとか思ってんじゃん?」
酔っているらしい流星が笑い混じりに口を挟む。
「そんなことはしねぇよ…」
銀河がそう軽くかわして、話はそこで終わるかと思われた。
けれど、流星が酔った勢いで、
「しねぇんじゃなくて、できないんじゃないの?」
と、言い出して、空気が一変した──。
「つまんねぇこと言ってんじゃねぇ……」
銀河が低く声を落として、流星を睨み据える。
「本当のことだろうが? ……昔のこと、今も引きずってんだろ?」
流星が、にやけ顔で茶化すように口にする。
「よけいなこと言うなって、言ってんだ…」
一方の銀河は憤りを隠せない様子で、さらに声を低めて言い返した──。
「もうやめなってば! 銀ちゃんも、リュウちゃんも!」
二人をなだめようとする天馬に、
「許せねぇ……!」
銀河が忌々しげに流星に毒づいた。
「ふん…本当のこと言って、何が悪いんだよ?」
流星が鼻先で笑って、銀河を煽った……その途端だった──。
──立ち上がりざまに、銀河が流星を拳で殴りつけた。
「…いってぇ! てめぇ…何するっ!」
流星が銀河に掴み掛かり、シャツの襟首を吊るし上げる。
──ただならないような状況に、私自身すっかり酔いも醒めてきていた。