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両親の都合でイタリアに引っ越して来て3年。
もうそろそろ言葉も話せるようになってきた。
そして、今日から新しい学校…!
前の学校では色々あったよ…。
でももう大丈夫!転校したからね!
目標は、彼氏を作ること!
まだまだイタリア語は未熟だけど、楽しく過ごせるといいな!
えっと…私のクラスは…
確か、2年A組だっけ。
私は教室を探して廊下を歩いた。
あっ、ここだ!
「あら、初めまして。」
「初めまして!えっと…」
「私はアリアンナ・バスティアニーニ。よろしく。」
「よろしくお願いします、アリアンナ先生!」
キーンコーン。
チャイムが鳴った。
みんなはちゃんと席に着いている。
前の学校とは大違いだ。
前はみんなして授業をサボって校庭で遊んでたからね。
「さ、みなさん!転校生の紹介だわよ〜!」
わぁ〜、と教室が騒ぐ。
そのまま自己紹介を済ませ、席についた。
私は一番後ろの一番窓側になった。
よっしゃ!なんと最高な席!
「はいじゃあ、1時間目数学だから、授業始めるよー。」
どうやらアリアンナ先生は数学の先生らしい。
「…なのでこの問題の答えは√5になります。」
…うーん。正直前の学校では授業すらまともに受けられなかったから、わかんないや。
はぁ〜あ。
うつ伏せになって、なんとなく右を向いた。
すると、隣の男子も左を向いていて、目が合ってしまった。
「…なぁ」
「…何?」
「名前…なんだっけ」
「…ヨハネ」
そう、私の名前はヨハネ。
実は私は別に生まれが日本なわけじゃないのだ。
イタリア人の両親だけど、仕事をきっかけに2歳の時引っ越した。
だから、私は見た目と名前以外ほぼ日本人みたいになっている。
そして今、イタリアに戻って来て”イタリア語が全然話せないイタリア人”が完成している。
「ヨハネかァ…ぷぷ」
「そうだけど?」
「…変な名前!」
「…ひどい!そっちだって変な服して!!」
ここの学校は私服だから、たまにとんでもない服を着たやつがいる。
この人も同様だ。
「ヨハネさん。うるさいですよ。で、この問題の答えは?」
「…わかりません。」
くぅ〜。
初日から恥をかいてしまった。
「…初日からなんてことしてくれんのよ。ひどい」
「へへーん。引っかかったなー?」
「…ふんっ。」
「俺、ナランチャ・ギルガ。」
「そう。よろしく、ナランチャ。」
そのまま私たちは何事もなく授業を受けた。