💚💙　プラトニックラブ

何度も言うけど付き合って長いし、言わないだけでめちゃくちゃ好きだし、愛のばら撒きに慣れた今、至れり尽くせりの阿部ちゃんの隣はとても居心地がいい。

好きになったのは俺だけど、遠回しに話して阿部ちゃんから付き合おうか？と言わせた。

でも、阿部ちゃんが俺が失恋で傷つかないようにもはや惰性で付き合ってくれてるだけだったりしないんだろうか？

でも、でも自分から好き好き言うのも向いてない。でも、でも、でも………

💚「翔太ー？」

💙「えっ」

いつの間にか考えすぎて1人の世界に入っていたらしい。

今日は音楽番組の出演。もうすぐ出番だよと言われて慌てて鏡で最終チェックをする。

💚「翔太大丈夫、今日も世界一可愛いよ」

💙「そんなのわかってるし、てかカッコいいって言え」

💚「えー、翔太は俺の可愛いお姫様なのに」

💙「ギャーッ！」

久しぶりに特大の爆弾を食らった。

お姫様？はぁ???

ここに来てまだ新作を出してくるのか、こいつは。

🧡「あ、出た野鳥園」

🩷「翔太が野鳥園開園したぞー」

🤍「開園開園ー」

俺らの事はみんな知ってるから、たまにこうやって新作に悶える俺を面白がる。

毎回叫んでしまうから、その声を『野鳥園』と揶揄されながら。

🩷「翔太がお姫様なら阿部ちゃんはあざと王子だなー」

こうして周りの反応を見たり声を聞いて、あぁ、まだ付き合ってるんだ、カップルに見えるんだって安心を得る事が増えた。

阿部ちゃんがどう思ってるのか聞きたいけど、『実はさ』なんて言われたらと思うと怖くて聞けない。

ストレートな愛情表現やファンサから逃げ回ってきたツケで本当に好きな人にまで素直に愛を伝えられない事に俺は頭を抱えた。