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QuizKnock編集部。
動画の編集作業も一段落し、須貝が椅子を回して大きく伸びをしていた時だった。
背後から、ガサガサと不自然にビニール袋を鳴らして伊沢が近づいてきた。
izw「……あー、須貝さん。よかったらこれ、あげますよ」
伊沢がデスクに無造作に放り出したのは、コンビニの袋に入ったバニラアイスと、須貝が以前「これ美味いよな」と言っていた新作のスナック菓子だ。
sgi「おっ、アイスじゃん! いいの? ちょうど食いたいと思ってたんだよ」
須貝が嬉しそうに袋を覗き込むと、伊沢はすかさず視線を逸らし、腕を組んで早口でまくしたてた。
izw「いや、さっきコンビニ行ったら期間限定で並んでたんで、なんとなく自分用に買ったんですけど。……思ったより昼飯が腹に残ってて、今食ったら完全にキャパオーバーで。廃棄するのも不合理だし、ちょうどそこに須貝さんがいたから、在庫処分を手伝ってもらおうと思って」
sgi「……これ、お前がいつも『バニラは王道すぎて逆に選ばない』って言ってるやつじゃねーか」
izw「そ、それは……今日に限って、王道の味を再確認したくなっただけで……!」
顔をわずかに赤くして、必死に「自分用だった」という体裁を整えようとする伊沢。
須貝はそんな彼の心中を全てお見通しといった様子で、ニカッと太陽のような笑顔を浮かべた。
sgi「そっかそっか! 腹いっぱいならしょうがねえな。伊沢の代わりに俺が美味しく頂いてやるよ。サンキューな、伊沢!」
izw「……別に礼を言われる筋合いはないですから。僕の胃袋の代わりに処分してもらうだけなんで」
そう捨て台詞を残して、伊沢は逃げるように自分の席へ戻っていった。
その後ろ姿を見送りながら、須貝は袋の底に忍ばされた保冷剤を見つけてくすくすと笑った。
sgi「……自分用なら保冷剤なんて貰わないだろ。ったく、素直に『お疲れ様』って言えばいいのになぁ」
須貝は、わざわざ遠回りな言い訳を準備してまで差し入れを届けてくる後輩の、不器用な優しさが可笑しくて仕方がなかった。
一方、席に戻った伊沢は、パソコンのモニターを見つめながら内心で猛省していた。
izw「(……次は、もう少しマシな理由を考えておくべきだな。……いや、そもそも、なんで俺は須貝さんの好きな物を完璧に暗記して、わざわざ選んで買ってるんだ……?)」
素直に「これ、須貝さんのために買いました」と言えば済む話なのに、いざ目の前に立つと、どうしても照れくささが勝って理屈で武装してしまう。
izw「(……俺、なんでこんなに素直になれないんだよ……)」
自分の論理的思考が、須貝への好意の前では全く機能していない事実に、伊沢は一人で赤面していた。けれど、次のコンビニ休憩でもまた、無意識に「誰かさん」の好物を探してしまう自分の姿が、容易に想像できてしまうのだった。
(おわり)
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コメント
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毎度最高です…!注文が多くて申し訳ないのですがsgi+izw+gn×trskで取り合いってお願いできますか…?