「まゆー!ふわっち!放課後なにする?」
授業が終わって今は放課後である。
焦げ茶色の髪の毛に赤と白のメッシュを入れているグリフィンドール生の三枝明那。
彼の声は名前を呼んだ友人二人以外にも届くレベルの声量だった。
三枝は赤のメッシュが入っていたり、行動や言動がThe高校生男子なのだが、女子に対しては緊張してしまうことがしばしばある。
ホグワーツへ行くための列車乗り込もうとして、ピンク髪の少女に列車の乗り方を聞かれたときもオドオドしていたのはいい思い出だ。
その後、ピンク髪の少女もグリフィンドール寮生となり友人になれた。
そこから少しずつだが女子とも関われるようになった。
「やっぱゲームしか無いっしょ!」
三枝の問い掛けに元気に返事をするのはスリザリン生の不破湊。
灰色の髪の毛に紫とピンクのメッシュが入っている髪の毛はよく目立つ。
そのくせスリザリン寮生とは思えないほどの陽キャ感を持つ彼は、学年関わらず有名だ。
しかし、彼は結構な問題児として教師から目を付けられている。
飛行授業で制御が上手く出来ずに教室の窓に突撃する、薬学の授業で爆発を起こすなど様々な問題を起こす。
そのたびにエルフ耳の男性教諭と一部から女王と呼ばれる女性教諭がフォローに回っている。
不破がホグワーツに入学する前からの知り合いだったらしいが、どうして知り合いなのかなどは不明である。
そして、不破の返事に対して【まゆ】と呼ばれた生徒が口を開く。
「ゲームっていったって、なにするの?もうトランプは飽きたよ?」
黒髪に青のインナーカラーを入れているレイブンクロー生の黛灰。
彼は体の一回り大きいローブを着て、余った袖で口元を少し隠しながら話している。
背は高いが体が細く、肌も白いので弱いイメージのある黛だが、魔法のセンスはかなりのものらしい。
不破が起こす事故も何個か未然に防ぐなどで信頼を密かに獲得している生徒だ。
しかし、彼は魔法よりもパソコンなどのコンピュータを扱う方が好きであり、寮にタブレットを内緒で持ち込んでいる。
黛はインナーカラーだが、三人はメッシュを入れている事からメッシャーッズと呼ばれている。
黛は、俺はインナーカラーなんだけど…など思うところがあるが、二人といるのは楽しいので気にしないことにしている。
放課後はだいたい三人で何かしらの遊びをしている。
最近の三人のブームはトランプだった。
魔法無しのシンプルなトランプをしたり、魔法混じりのトランプなどいろいろした。
「…そういえば、明日提出の課題終わってるの?…ていうか覚えてる?」
黛が二人に心配混じりに聞いた。
三枝と不破は黛の顔をじっと見つめた後、みるみる顔色を変えた。
「そうだったぁぁぁぁぁ!」
「忘れとったぁぁぁぁぁ!」
三枝に続き不破も叫んだ。
先週出された実験の考察をまとめる課題が二人には残っていた。
実験を自分たちで行い、考察する課題だ。
黛はやっぱりという目を二人に向ける。
「まゆは?!もう終わったの!!!??」
三枝が黛の肩を掴み聞く。
少しの沈黙の後に黛は答えた。
「…まだやってないよ。」
黛が課題を終わらせて無いことに二人は驚いた。
いつもなら課題を出された次の日には終わらせ、悠々自適に過ごす黛が課題をしていないことは珍しかった。
「なんでなん?」
不破は三枝と黛の顔の間に入り聞く。
「……今回の実験は数人でやった方が早く終わるから、二人を誘おうと思ってたんだよ。でも、気づいたら前日になってたってわけ。二人ともトランプにハマってたしね。」
黛は少し考えてから不破の質問に答えた。
目をそらしながら話す黛。
そんな黛に対して二人の顔には、ぱあぁ!笑顔が咲いた。
「それなら早く実験しようぜ!まゆ!」
三枝は黛の肩から手を離し黛の左腕を掴む。
「そうやな!めちゃくちゃ実験して考察しまくろ!」
不破は黛の右腕を掴む。
二人に引っ張られながら黛は少し早足になりながら教室を出た。
黛は三人で実験することに対して、爆発するなどの不安があった。
しかし、それすらも少し楽しみになっていたのだった。
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続くかも
コメント
2件
主様の作品素敵すぎます✨主様センスの塊すぎる…