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ああああああああぁぁぁ、かなかなが転生している時空ですね! そして、くろのわはてぇてぇと……。仲良いのは和む
「あー、授業だるいな…」
授業が始まるまで10分程の時間がある。
愚痴をこぼしながら廊下を一人で歩いているのはスリザリン生のアレクサンドル・ラグーザ。
銀髪に鋭い赤い目をしており、髪型などをしっかりセットすればモテるであろう顔の持ち主だ。
魔法界でも有名な家柄であるラグーザ家の三男である。
しかし、学校ではそれを隠している事もあり葛葉と名乗っている。
それでも一部の生徒には彼の正体がバレてしまっている。
正体を隠さないといけない理由は特にないのでバレても問題はないのだ。
なぜなら、ラグーザ家だとバレるよりも隠さないといけないことがあり、それがバレなければいいからだ。
ここホグワーツにはある目的のために生徒として過ごしている。
次の授業は何だったか、そんなことを考えながら廊下を歩いていると廊下の窓から声が聞こえた。
「おはよ、葛葉。」
薄い茶髪に眠そうなタレ目でふわふわしたような喋り方のスリザリン生の叶である。
窓の縁に肘を乗せて両手を顎の下に置き、あざといポーズをとっている。
葛葉は異例の転入生であった。
クラスのほとんどが彼を警戒していたが、最初に話しかけたのは叶だった。
そこから叶と話す機会が増え、それを見たクラスメイトも葛葉を警戒することはなくなった。
二人は昔からの友人かのように会話をする。
二人揃うとたちの悪さは二倍になる。
味方にいると心強いが、敵になると怖いとはこの事だろう。
叶は見た目や声のトーンからはスリザリン生とは思えないが、一部の生徒の証言でやられたら分かるらしい。
叶は、先ほどまで廊下から見える中庭で昼寝でもしていたのだろう。
髪の毛には数枚の葉っぱがついていた。
「おはよ、何してんだよ。次も授業だろ。」
葛葉は叶の頭についた葉っぱをはらう。
「えへへ~、昼寝してたんだよねぇ。」
相変わらずふわふわな喋り方だ。
叶はスリザリン寮生ではないと錯覚を起こしてしまう程だ。
「授業遅れるぞ。」
葛葉は教室の方向へ足を向けるが、それを叶が止める。
「ねぇ、葛葉。次の授業さ、一緒にサボらない?」
叶は、ニコニコ笑い葛葉を誘う。
そんな叶に苦笑いしながら葛葉は答える。
「サボるってなにすんの?」
別にサボることに抵抗は無いが、また何かを企んでいるのだろうかと考える葛葉。
そんな葛葉に対して叶は窓から見える高い建物の屋根をを指差す。
「あそこ、絶景だと思わない?」
ニカッと笑う叶につられて葛葉も笑ってしまう。
「あー、なるほど。賛成。」
葛葉は窓を飛び越え中庭へ出る。
そして、誰もいないことを確認して背中からコウモリの羽のような翼を出した。
叶を持ち上げ、建物の屋根を目指して羽ばたいた。
あっという間に建物の頂上まで飛んできた。
屋根の上に叶を下ろし、葛葉も下りた。
「思った通り!めちゃくちゃ綺麗だよ!葛葉!」
叶は、風もそこそこ吹いているので落ちないように屋根の上に座った。
髪の毛を少し手でおさえて立っている葛葉を見上げ笑っている。
その叶の笑顔に葛葉はいつかの日の記憶が重なってしまう。
何回も見た忘れるはずの無い叶の笑顔だ。
葛葉はその笑顔に心臓の当たりが締め付けられながら答える。
「…そうだな。サボって正解だわ、これ。」