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次の日、私は、朋也さんといつもみたいに一緒に出かけた。
いつもと同じ行動なのに、今日は少し違う。
なんていうか、朋也さんの存在が大きくって…
とっても安心感があるんだ。
会社に着くと、チームのみんなが揃っていた。
もう少しで、とりあえず今のチームは解散。
また新しい企画で違うチームが組まれる。
『恭香先輩。もうすぐCM流れますね。お菓子売れるといいな~』
愛くるしい梨花ちゃんの笑顔。
この前のCM撮影の時の辛辣な言葉が、正直頭の片隅に残ってはいたけど、それは…もう忘れたい。
『そうだね。梨花ちゃんのコピー良かったし、CM大成功だったから売れると思うよ』
『…ちょっと嫌味っぽい~』
梨花ちゃんが、嫌な笑い方をした。
『どうして?』
『私のコピーだからって…ちょっと嫉妬入ってません?でも、梨花、先輩には負けません~実力があれば採用されますもんね。次も頑張ります~』
ニコニコして去っていく梨花ちゃん…
立ちすくむ私。
嫉妬してるつもりはない…
本当に梨花ちゃんには実力があるから。
それは…認めてる。
でも、私だって次は頑張るよ。
先輩として、やっぱり…負けたくないし。
それにしても梨花ちゃん、最近、私に対してキツさが増してきたような気がする。
敵対心剥き出しっていうか…
こんな感じの梨花ちゃんと、これからどんな風に向き合ったらいいんだろう?
『恭香、どうした?』
朋也さんが、心配してきてくれた。
『…大丈夫。何でもないから』
私を見つめる朋也さん。
何でもない…って、ヘタな嘘がバレてるんだろうな。
『そっか。何かあったら言えよ』
『うん、ありがとう』
今の私には、その優しさがとても嬉しかった。
傷ついた心が救われるよ、本当に…
『おはよう』
その声に振り向くと、一弥先輩がいた。
『おはようございます』
『昨日、恭香ちゃん休みだったね。どこか出かけたの?』
一弥先輩、真っ直ぐ私を見てる。
先輩の笑顔…
心から癒されるんだ。
その笑顔が、いつまでたっても頭から離れなくて…
頭の中に接着剤で貼り付けられたみたいに…
この人を忘れられたら…どんなに楽だろう。
やっぱり、忘れるとか忘れられないとかって理屈じゃないんだ…
私、本当…ダメだな…
朋也さんに告白されても返事出来ないままで…
一体、これからどうしたらいいんだろ。
自分の気持ち、コントロールなんて出来ないよ。
本能が赴くままに…私は、いつかどちらかをちゃんと選べるのかな…
たいした顔じゃない私が…
こんないい女みたいなセリフ…
全然似合わないし、申し訳なくて胸が痛くなった。