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☀️ 第51章「消えゆく星」
巨大な閃光が、宇宙を裂いた。
融合体「キセキ」の拳から放たれた希望の波動は、
ルシフェルの絶望の波動を貫き、
そのまま――彼女の核を包み込むように太陽へと吹き飛ばした。
ルシフェルの咆哮は、もはや届かない。
ルシフェル:「この私が……この私が……終わるなど……ッ!」
核ごと太陽へと沈み、
ルシフェルの存在は、光に包まれながら――完全に消滅した。
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■ 崩れゆく青き星
しかし、代償はあまりに大きかった。
セレナ(融合体の内で):
「――……地球が……崩壊を始めてる……!」
リオン:「しまった……あの波動の反動で、地殻そのものが……!」
大地が割れ、大気が揺らぎ、海が一瞬で蒸発していく。
融合が解かれ、4人は元の姿に戻るが――そこはすでに「生きられる星」ではなかった。
⸻
■ 最後の瞬間
瓦礫に埋もれた都市。
沈みゆく大地。
崩壊していく大気圏の向こう――
ゲズたちは、消えゆく故郷を見つめていた。
ゲズ:「……俺たち、勝ったんだよな?」
ウカビル:「ああ……勝った。だが、この星はもう……」
セレナ:「でも……誰かが守らなきゃ、未来は来なかった」
リオン:「俺たちが背負ってきたすべては、無駄じゃなかった」
彼らは手を取り合い、空へと跳躍する。
そして――
空間がひらく。
まばゆい金の光が、彼らの頭上を包み込む。
⸻
■ 現れる神の門
黄金の階段。
空に浮かぶ大理石の柱。
荘厳なる音楽が、どこからともなく響き渡る。
それは――神々の国、ゴッドエデンへの扉だった。
セレナ:「これは……まさか……!」
ウカビル:「俺はこの気配を知っている。これは――“父なる存在”だ」
リオン:「……アダム……!」
その瞬間、ゲズの心に言葉が響いた。
「汝ら、よくぞ試練を越えた。
次なる闇は、すでに目覚めんとす。
汝らに、新たな運命を授けよう――」
⸻
■ 星を離れて
彼らは一度も振り返らなかった。
ただ、滅びの中で咲いた奇跡を胸に抱いて。
次なる戦いへと――新たな世界へと、歩を進めた。
地球は静かにその役目を終え、光に還った。
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