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♡48ありがとうございます。
第伍話Start
放課後。
終礼が終わると、教室から生徒たちが次々と出ていく。
「じゃあ、また明日!」
『うん。また明日』
日葵に手を振り、私は教室を出た。
向かう先は、生徒会室。
放課後の時間はほとんどここで過ごしている。
『遅くなりました』
扉を開ける。
「お疲れ様です、会長!」
『お疲れ様』
中では、すでに何人かの生徒会役員が仕事を始めていた。
机の上には書類の束。
掲示物。
各委員会から提出された資料。
そして、今度行われる学校行事の予定表。
「今日の分、まとめておきました」
『ありがとう』
受け取った書類に目を通す。
生徒会長だからといって、私一人ですべてを決めるわけではない。
各委員会から上がってきた意見を確認して、必要なら修正する。
先生方との連絡を取り、行事の予定を調整する。
時には、生徒から寄せられた相談にも目を通す。
地味な仕事ばかりだ。
けれど。
こういう小さな仕事の積み重ねが、学校を動かしている。
「会長、これなんですけど」
『うん?』
一人の役員が紙を差し出す。
「来月の行事で、体育館の使用時間が重なってしまっていて……」
『見せてもらえる?』
予定表を見る。
確かに二つの予定が同じ時間帯に入っている。
『こっちは時間を一時間ずらせそう?』
「確認してみます」
『お願いね。難しそうなら先生に相談しよう』
「分かりました」
役員が頷く。
次の書類に目を移す。
「会長」
『はい?』
「これ、どうしましょう?」
今度は別の相談。
私は一つずつ確認していく。
必要なもの。
必要ではないもの。
優先するべきこと。
後回しにしても問題ないこと。
頭の中で整理しながら、順番を決めていく。
『これは今日中に先生へ』
「はい」
『こっちは明日でも大丈夫だから』
「分かりました」
『あと、これは私が確認しておくわね』
「お願いします」
気が付けば、机の上にあった書類が少しずつ減っていた。
『……ふう』
一息つく。
窓の外を見る。
もう夕方だ。
校庭では、運動部がまだ活動している。
グラウンドから聞こえる声。
体育館から聞こえるボールの音。
吹奏楽部の練習する音。
どれも、いつもの学校の音だった。
「会長って、疲れないんですか?」
隣にいた副会長が尋ねる。
『疲れるわよ』
「え?」
『でも、嫌いじゃないから』
そう答える。
生徒会長という立場は、私が思っているよりずっと忙しい。
それでも。
誰かに頼られることは嫌いではなかった。
「会長がいると助かります」
『……そう?』
「はい。判断が早いですし」
『それは皆がちゃんと仕事をしてくれてるからよ』
「またそういうこと言う」
笑われる。
私は少しだけ肩を竦めた。
『本当のことだから』
再び書類へ目を落とす。
すると、一枚の紙が目に入った。
〔――社会科見学について〕
そういえば、もうすぐヨコハマへ行く。
昨日から何度も目にしている地名。
ヨコハマ。
私が昔住んでいたという街。
けれど、私にはその記憶がない。
『……』
指先が、紙の上で止まる。
まただ。
胸の奥が、ほんの少しだけ痛んだ。
「会長?」
『……何でもないわ』
私は紙を伏せる。
そして、いつものように笑った。
『仕事、続けようか』
「はい!」
生徒会室に、再び紙をめくる音が響く。
その日も私は、生徒会長として一日を終えた。
ただの高校生として。
何も知らないまま。
自分の過去が眠る街へ、一歩ずつ近づいていることにも気付かずに。
追記
女子生徒の設定
名前 : 黒美 優萌
部活 : 女子バレー部(主将)
補足 : 渾名、『クロミちゃん』
見た目に反して性格は大人しい
夜凪と同じ班
異能力 : ?
無能@活動休止中
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無能@活動休止中
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#呪術廻戦
無能@活動休止中
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コメント
1件
寺島あおいです🌷 第伍話、読ませていただきました。 放課後の生徒会室、積み重なる書類と小さな相談ごと。地味だけど確かに学校を動かしている“仕事”の空気感がとてもリアルで、そこにいる役員の皆さんの声が聞こえてくるようでした。特に「誰かに頼られることは嫌いじゃない」という会長の言葉、胸に残ります。自分の役割を淡々と受け入れているように見えながら、ヨコハマの文字に一瞬痛む仕草で、その奥にあるさみしさや“知らない過去”の気配がふと浮かび上がってきて…次がすごく気になります。 会長の日常と、まだ見えていない記憶の影。この距離感の描き方が、とても好きです。続きも楽しみにしています📚