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『たい焼き買って…それと〜_』
今年でちょうど3年目だなぁ…
あんなに泣いてたのに
今じゃ涙一つも出ないや…
あっはは…
3年も来ていた
もう道は覚えたよ
『やっほ〜!ぐっすりみーこち!元気〜?すいちゃんはね_』
声が響く。
『あ、これみこちのね〜!』
そっと置く。
そして、私は
みこちが大好きなたい焼きを
一口、頬張る…
酷く甘ったるい味だ…
あー…そういえばみこちは、一口が小さくてリスみたいだったな
なんて昔のことを思い出す。
『ねぇみこち、聞いて』
『私ね…夢叶えたのは知ってるでしょ…それで新しい夢が出来たんだ!』
話に夢中になる。
すると…カコンっと音を立てて石が落ち
私の足元へ。
『あー…!ごめんごめんw水飲んでなかったねw』
たい焼き…三つもあるし…そりゃ喉乾くよね…。
『ふっははw動物みたいだね?wおやつ貰って、水飲ませて貰ってさw』
本当に可愛いよ。
『じゃあ…みこち…そろそろ』
木が靡く…それは返事のようだ。
線香をライターで、火をつける。
花を変える。そして、軽く「みこちの墓石」を拭く。
『ん!綺麗!』
次は、強く風拭く…
…私…今、スカートなんだけど…?みこち…?
まぁ…いいや…
『みこち…私帰るね?じゃあ、バイバイ…変態みこち…』
見慣れた、歩き慣れた星の街
なのに…あなた《みこち》は居ない。
『好き…だったんだけどなぁ…ずーっと伝えられないなぁ…
あー…あー…そのせいで最後の最期まで言えなかった…
すいちゃんってこんなに…ヘタレだっけなぁ…』
声が震える
『3年…経ったなぁ…そのせいで
香りも感触も分かんないや…声と姿は映像に残ってるから…
分かるんだけどね…』
『愛ってなんだろうね…?みこち
すいちゃんも分かんないや…もう。』
「すいちゃん〜…愛って何だろうにぇ?」
『ふっははwそんなことも分かんないの〜?wばかちw』
今思えば、あれが最期の会話か…
「なっ…!馬鹿にしやがって!そんなすいちゃんは愛が何か分かるの!?」
『ふふん!!もちろん!』
あの時の私…めっちゃドヤってたなぁ…
『愛はね〜!お呪いだよ!』
その通り、呪いだね。
「おまじない?」
あー…絶対分かってないやつだ…これ
懐かしいなぁ…
すいちゃんの言う通り
お呪い《おまじない》だね
ずーっと…脳裏から離れないや…
私の腕の中で…苦しむみこちが…
あの時ね?私…お腹がきゅんきゅんして
興奮しちゃったの…可笑しいよねw
『雨かな…?w傘なんて…持ってないよ…』
空は酷くも晴れており、快晴
独り虚しく青髪が揺れ、瞳の星が掠れている
それは魅力的と言えるだろう。
彼女は知らない
「後ろ」を。
ずっとお呪いし続けてる彼女を
その彼女の表情も、声も
星は知らないまま
桜に乱れ堕ちてゆく
全ては計画されたように。