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「「……トラゾー?」」
油の切れた機械のような動きで顔を上げる。
「っ!!」
「どういうことかな?」
めちゃくちゃ怖い。
クロノアさんの真顔が怖すぎて声が出ない。
「そんなに薬盛られてるなんて聞いてないけど」
「ホントに何もされてねぇよな。お前、変なとこ抜けてんだから。潜入先でも普通にセクハラされたりしてないだろうな」
「こんな風に触られたりしなかった?」
さわり、と腰を撫でられる。
「ひ、…」
「お尻とか、変なこと言われたり」
思い当たる節しかなくて黙ってしまった。
さっき、しにがみさんに無言は肯定と言われたばかりなのに。
「……されたし、言われたんだな」
「ゔ…」
「どんなことされたの」
背後から両手首をクロノアさんに掴まれて、両足首は前からぺいんとに押さえられる。
「ぁ、え……っと……」
「「トラゾー」」
「正直に言った方がいいぜ」
「うん、これも総統命令ね」
「ゔぐ…っ」
じわりと冷や汗が背中を伝う。
「……ホントに、変なことはされてないんです…。その、…さ、触られただけで…」
「どこを」
「どんな風に」
「「ホントに触られただけ?」」
「あ、ぅ…」
思い出すのは嫌だけど、この状況で嘘をつけば目に見えてもっと大変なことになる気がする。
「そ、の…潜入中は、…こう、腰に手を回されたり…部屋に来いとか、言われたり…捕まった時、は…手を、縛られたりして、体を撫で回された、と言いますか…ぇっと…、なんか、そういう物を取り出された時は…頭突きしたり、…ヤバそうになったら本気で蹴って、逃げてましたけど…」
視線が痛い。
「……マジで許さねぇ、ぶっ殺す」
「そうだね、殺そう」
「ぺいんと、クロノアさん…?」
物騒すぎる言葉が飛び交う。
「てか、捕まった時点で本気で蹴りなよ」
「それは、…ギリギリまで引きつけようとして…それで大丈夫だったことが多かったんで、油断して…、すみません…」
「つーかお前、弛緩剤も盛られてたのにホントによく無事だったな…」
「いや、…大半は殺そうとする奴ばっかだったから…なんていうかそこでも、油断して、それに身の危険感じて……ごめんなさい…」
「「……本当は?」」
「、俺みたいな、のに、そんなことしてくる人間がいると思ってなかったから、デス…」
2人がぱっと手を離す。
「まぁ、疎いお前が本能で逃げたのは正解だよ。そのまま我慢してたら……ヤベ、俺、そいつの国ごと潰しそう」
「仕掛ける?」
不穏なやりとりに慌てる。
「待っ…そこまでしなくても…無関係の人だって…」
ぺいんとの手を掴む。
「優しいな、トラゾーは」
腕を引いたぺいんとの胸に飛び込む形になった。
「わっ」
「でも、ダメ。俺らの地雷踏んだんだから許さねぇ」
「そうだね。…大丈夫、ちょっと痛い目見てもらうだけだから」
背中を撫でるクロノアさんは優しく穏やかな声で言った。
「それより」
「ぅひゃっ…」
空いた方の手でぺいんとに腰を撫でられる。
「トラゾーは自分のこと考えた方がいいかもな」
「え?」
傷跡を意味を持って触られる。
その意味が読めてしまい、顔が赤くなっていくのが分かった。
「背中も真っ赤になってるね」
つい、と背骨を下からなぞられて項を撫でられる。
「ぁ…ッ」
「可愛いな、トラゾー」
「俺らだけの可愛いトラゾー」
「ひ、っ…ぁ…」
腸骨や尾骨などの際どいところを撫でられてぞわぞわする。
「だ、だめだって…!」
力の入らない手でぺいんとを押そうとするけどその手を逆に取られる。
「俺はちゃんと反応してくれてて嬉しいぜ?」
「こんな感じやすい身体でホントよく無事だったね」
「それは…ッ」
触る人物が違う。
赤の他人なんて嫌悪しかない。
ぺいんととクロノアさんだから、と言いかけて口を塞ぐ。
「何で言いかけてやめんだよ」
「トラゾー?何言いかけた?」
首を横に振る。
あんなの言ったら気持ち悪がられるに決まってる。
「……ふぅん?俺らが薬なんか使わなくても余裕で白状させれるってのを身をもって知りたいらしいですよ、クロノアさん」
「へぇ?そっかぁ、…素直にトラゾーが教えてくれたらよかったんだけど。仕方ないね?」
クロノアさんに後ろから抱えられて、身動きが取れない。
「ゃ、やだ、何する気だよ…」
「今更?」
ズボンに手をかけるぺいんとを見て慌てる。
「ちょっ、ま、や…!」
ベルトを外され呆気なくズボンも下着も剥ぎ取られた。
「ッッ⁈」
「俺らに触られただけでこんなになって、可愛いなトラゾー♡」
見たくなくて目を閉じようとしたら、クロノアさんに顎を掴まれて前を向かされる。
「可愛いよ、トラゾー♡」
「はぅ…っ」
「こんなとこにも傷跡あんの?」
内腿を撫でられてビクッと体が跳ねた。
「エロ」
「も、ゃめ…い、言うから…!さっきの、ちゃんと言うから…ッ!」
涙目になってるのは羞恥のせいだ。
「「……」」
急に黙る2人に告げる。
「っ、ぺいんとと、クロノアさん…だから、…2人だから、おれ…っ……他人は、やだ…2人じゃなきゃ、いやです…ッ」
もう穴があったら入りたい。
「……」
「ぺいんと…?」
「……」
「くろのあさん…?」
「「あ゛ーーー…」」
頭を抱えて声を出す2人にやっぱり気持ち悪かったのかと自己嫌悪を陥る。
「お前、マジで…」
「トラゾー、ホント…」
「「抱き潰す」」
前髪を掻き上げた2人の顔にヒュッと息が止まった。
獣のような目。
雄のその表情。
「ッ──、!」
無意識に本能が恐怖を感じたのか体が反射的に逃げようとした。
「逃がさないよ」
「逃げんな」
2人とも握力とか腕力あるから押さえ込まれたら俺でも逃げることができない。
今はただでさえ、筋力も落ちてるから力が入りづらい。
「ぁ、違っ…」
「怖いなんて思わせないくらい、俺らでいっぱいにしてやるからな」
ぺいんとは俺のお腹を撫でる。
「うん、俺らのことしか考えられないくらいにしてあげるよ」
クロノアさんに顔を撫でられた。
「、ッぁ…」
その撫で方が嬉しくて、幸せに感じて。
あいつらとは違って嫌悪なんて全くない。
寧ろ、もっと触って欲しくて。
「……なら、おれのナカを、いっぱいにしてください」
だから、口から自然と言葉が出た。
「「っっ〜〜!」」
「ぺいんと、くろのあさん、」
満たして欲しい、そう思った。