夢を見た小さい頃の
裏庭で咲いていた花の名前を教えてもらったときの事
花の名前なんて、俺はわからなくて
でも彼はわかってて
彼がその花の名前を口遊む
そんな懐かしいあの時の夢
「あ、…セラ夫、起きました?」
「……うん……」
「懐かしい……夢を見た…」
「どんな?」
「……、君の知らないような人に花の名前を教えてもらう夢」
「なんの花なんですか?」
「名前は…覚えてないけど、彼岸花みたいで、ピンクっぽい色で、ふわふわしてた」
その回答に困ったかのように彼が応える
「ええ〜なんですかねその花?」
「わかんない」
どうでもいい、夢で見た花のことなのに彼は一生懸命悩んで考える
「う〜〜ん」
「あっ!ネリアとかじゃないですか?」
「ネリア?」
「確かに彼岸花に形は似てますね」
「ほら」
そう言い彼は俺に1枚の花の写真を見せる
「これだね」
あの時、ほとんど枯れてしまった裏庭で一輪だけ咲いていたあの花
彼もあの時こんなふうに悩んでくれてたっけ?
いや、きっとそうだろう。
「ん〜凪ちゃんお腹すいた」
「なにか作ります?」
「奏斗達のとこ行こ」
「はいはいじゃあ準備しますね」
「おけ〜」
ふと昔のことを思い出した
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