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清左衛門は米を買いに市に来ていたところ、とある噂を耳に挟んだ。
どうやら近くの屋敷に美しい娘がいると言うもので興味を惹かれ、市まで来たついでに屋敷を覗いてみることにした。
―屋敷は前からはとても入れるような気がせず、裏の塀に少し登り頭だけを出して覗くことにした。すると、そこに居たのは娘ではなく男だったが美しいと言う話は本当で、この容姿なら男女問わず惚れるほどだろう。つい見惚れていると美少年がこちらの視線に気がつき目があってしまった。
自身も貴族なら問題はないが、庶民が覗いていたとなるとどうなるかはわからない。下手したら処罰を受けるのではないかと思い、その場を立ち去ろうとすると美少年が優しく微笑み「今、女房はいないから入ってきても構わないよ」と言い、手招きをされた。
貴族が庶民を屋敷にあげるなんて聞いたこともなかったので、不思議に思いつつ縁側に座らせてもらう。
「本当に、俺なんかがこんな立派な屋敷にあげてもらって大丈夫なのでしょうか?」と再度確認をすると彼はそっと頷く。名は朱夜と言うらしい。しばらくしてなぜ覗いていたのかと耳の痛い話題を出される。俺は正直に市で、美しい人がいると言う噂を聞いたと言うと彼は照れながら微笑んでいた。
どうやらもうすぐで女房が戻ってくるらしいので帰ることにし、帰り際にまた尋ねて大丈夫かと聞くと快く承諾してくれた。
・・・
村に帰また後でもずっと彼のことが頭から離れなくなっていた。畑仕事をしていても気がついたら彼のことを考えているという生活が続き、遂に俺は恋心を抱いてしまっていることに気がついてしまった。気がつきたくなどなかった。俺と彼には身分という変えられない壁が存在しているからだ。
―以前会った時から一週間がだった時、清左衛門はまた市へ米を買いに出掛けており、朱夜から尋ねることの許可をもらっていたことを思い出し会いに行くことにした。
以前のように塀から覗いてみると、今回も女房は居ないようだったので入ると朱夜は歓迎してくれ、今日は軽く雑談をしてみることにした。
なんと呼べばいいのか戸惑っていると
「そんな堅苦しく思わなくて大丈夫だ。もしよろしければこれからは友人として接してくれ、私のことは朱夜と呼んでくれたら嬉しい。」
と友好的な返答をしてくれた。話を聞いていくと、どうやら彼は今まで友人と呼べる存在がいなかったようでなんだか自分が一番最初の友人ということが嬉しくなった。
そこから彼とは週に一度会いに行くことに決め、話していくうちにお互いのことを知って行った。
・・・
私は書類を作成していると、ふと今日が何曜日だか確認をしたくなった。私は毎週、清左衛門と会う時間が待ち遠しくなっていたのだ。自分では初めてできた友人なので会いたいだけなのだと思っていたのだが確実に抱いている思いは友情には収まらず、もはや恋心となっていた。
―今週も二人が会う曜日が回ってきた。この時、清左衛門に絶対に伝えたい事があった。
いつものように塀を超え清左衛門がやってくると、朱夜が口を開く
「明日、もし空いていたら夜に来てくれないか?」とソワソワしながら伝える。
「え…よ、夜⁉︎」
清左衛門は夜と言う言葉から様々なことを想像して顔を赤くして驚いていると、不安そうな表情で朱夜が「ダメか?」と聞いてくるので慌てて
「明日か!夜来るから!」と伝えると安心した表情をしたので、朱夜のその表情をみて清左衛門も安心した。
その後、家に帰った後でもやはり明晩のことで胸を高鳴らせていた。たとえ彼の誘いが想像しているような事と違うとしても、愛しい彼と会えると言うことが楽しみで仕方がなかった。
・・・
ついに約束の時がきていつものように屋敷に入ってみると朱夜は髪を下ろし夜着を着ており、いつも見ている姿と違うので清左衛門は頬を火照らせ、胸が弾んでいた。
「暗い中大変だっただろう。きてくれて嬉しい。その…今日は頼みがあるのだ」
「た…頼み..?」
「このようなことを言われたら拒絶されるとわかっているのだが。気持ちを抑え切ることができない。どうか、私のことを抱いてはくれないだろうか」
と薄々期待をしていた事が実際に起こり、夢か現かと思うほど現実感がなかった。承諾はしたが、本当に初めてが自身でいいのかと清左衛門は問うと、朱夜の口からお互いが両思いであったことが明かされ泣き出してしまいそうなほど嬉しかった。
朱夜の夜着を脱がし、まずは軽く口付けをする。
自分だけなのが恥ずかしいのか「脱いでくれ」と照れながら朱夜が言う。
同じ格好になったところで今度は深く口付けをする。既に朱夜は溶けてしまいそうになっていたが追い打ちをかけるように胸の先端を摘まれると「ふぁあ…」と良がり声をだしてしまう。
「あまり声を出していると、バレてしまうぞ?」とせせら笑う様に言われ朱夜はムッとしたが声を必死に我慢することにした。
通和散を用意してあると言うので早速、清左衛門は口に含み溶けたものを朱夜の蕾に塗り指で徐々に広げていくと初めての感覚に目に涙を浮かべながら、普段掛け布団代わりに使っている自身の服を掴み快楽に耐えている姿が愛おしく、さらに奥の方をいじめてやると流石に耐えるのが難しくなったのか淫声を出してしまうので唇で朱夜の口を塞ぎ抑えてやる。
「んっ…!」中から指を引き抜くと朱夜の体がピクリと反応する。既にこんなに蕩けている所で本番を始めてしまうと意識を飛ばしてしまわないか心配になったが「構わない」と言うので始めることにした。
清左衛門のもので広げられると、圧迫感がすごく朱夜の体は裂けてしまいそうだった。そこから何度も抜き差しを繰り返され内臓が押し出されるような感覚だったが、何より朱夜は愛しい人と繋がれていると言う事が幸せで仕方がなかった。良いところばかり突かれると朱夜は達してしまい、それと同時に清左衛門も達した。
・・・
目が覚めると横には束帯と夜着が落ちてあり、部屋には自身のみだった。このような姿を見られると夜に行ったことが知られてしまうので腰が痛いのを我慢し、急いで朝の支度をすませる。
そこからはいつもの日々が繰り返され、今週も会う曜日が巡ってきた。
姿を見ると二人で行った行為を思いだし、顔を直視することができなかった。
この日は清左衛門も伝えたいことがあり、それは二人で駆け落ちをしようと言うものだった。そのことを伝えると朱夜は少し目を丸くしたが、黙って頷きその日から朱夜は屋敷から姿を消した。