〔第十二章:まだ手は届く〕
あれから三日ほど経ったが、先生や警察がどれだけ探しても見つからない。
誘拐されたんじゃないかとも噂される様にもなった。
もう大事だ。
(蜜奇さん…どこに行ったんだ…?)
(蜜奇さんはどうしてるのかな…?)
(怖い思いしてないかな…?)
色んな思い出いっぱいになる。
でもそれは、みんなだって…緑川だってそうだろう。
そんな感じの今日の朝、緑川が走ってこっちに来た。
「日向!蜜奇さんが!」
「蜜奇さんがっ…?」
「蜜奇さんが!学校に来たんだよ!!」
「マジ??」
「本当!」
緑川がとっても嬉しそうにしていた。
「良かったな」
もう届かないと思っていてた手だって、まだ手は届く時だってあるんだ。
・・・
「ごめんね、いきなり」
ー本当だよ~!
ー心配したんだからね!
「うん、ごめん」
ーあ、蜜奇ちゃん?秋斗くん呼んでるよ?
「ん?秋斗っちが?あ、はーい今行く」
・・・
「どうしたの?秋斗っち」
「放課後教室で待ってて」
「ん?」
「とりあえずいいから」
「…?うん」
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