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いや、マジで面白い!! え?天才やん!もう、神やん! てか、クロノアさん、、元気出して! うちが笑わせてあげよっか?!
天才すぎる!続きが楽しみだ꙳⋆⸜(´˘`𓐍) ⸝ꔛ♡
終業式直前の7月後半。
下校時刻のチャイムが、
晴れた午後の教室に響く。
通知表や夏期課題の話題で賑やかなクラス。
みんな、夏休みを目前にして
浮き足立っているみたいだ。
tr「クロノアさん、みんなで今度集まって遊びにいこーよ!カラオケとかさ!」
sn「どうですかー?」
pn「めっちゃいいじゃん!!行きたい!」
トラゾーやぺいんと、
しにがみくんが誘ってくれる。
kr「うん、予定わかったら連絡する」
といつもの笑顔で返す。
心の中では、
「みんなの輪にちゃんと入れてるかな」
と何度も問いかけている。
でも、遠くから輪の中を見ているような
距離感が、どうしても消えない。
放課後。
帰り支度をするみんなの輪を少し
離れて眺める。
「またな〜!」
手を振る声が教室にこだまする。
俺も手を振り返し、
静かに廊下へと歩き出す。
kr「…本当は、楽しそうに話せるだけで、十分なはずなのにな」
心の中で小さくつぶやく。
夏の西陽のなか、
学校から家へ続く坂道を下ると、
制服が少し暑さで汗ばむ。
でも、家が近づくほど気持ちは重たくなる。
玄関に入ると、母の声がすぐ飛ぶ。
「今日渡された課題と通知表、今ここで見せて」
kr「…今すぐ?」
「すぐ見せなさい。あなたのことは周りもよく見てるのよ。“クロノアさんは完璧”って思われるようにしなさい」
“クロノアさん”
――親もまるで他人みたいな呼び方を
する時がある。
この家と学校、どちらの居場所でも、
俺は 「優等生」 でないといけない。
夜。
課題をひとつずつ消していく。
みんなが
「夏休み楽しみ!」
と話していたのに、
俺の夏休みは
“課題を完璧にやること” と、
“期待を裏切らないこと” しかない。
ちょっとだけ、
窓の外の青い夕空を見た。
もし、誰か一人でも――
“クロノアさん”じゃない、
ただの「俺」を気づいてくれたら。
けれど結局、
枕元のノートに弱音を書く勇気もなくて、
また一日が終わってしまう。