昼ご飯を食べ終えて、暇だから寺の中を歩き回る。
歩いている内に書庫を見つけた。
(勝手に見ていいかは知らないけど…)
そう思いつつも、たくさんの書物の内の1つを取る。
それには、天元と六眼と星漿体の因果について考察したことが書かれてあった。
数百年前のような古さの紙だが、破れているところが全くない。
同化失敗のことについても細かく書かれてあるため、これを書いたのは羂索なのだろう。
他にも、とある術式の活用方法や呪術家系の詳しい資料などがある。
「そこにいたんだ。」
急な声に驚き振り向くと羂索がいた。
読むのに夢中で、足音には全く気付いていなかったのだ。
「あ…読んだら駄目なやつだったらすみません…」
口止めのために最悪殺されるかもしれないと思うと、冷や汗が止まらない。
「君ぐらいだったら、この書物達の内容を私以外に伝えない縛りを結んでおけば読んでも構わないさ。」
「あざす…縛り結びます。」
自分の小指を羂索の小指に絡める。
「あざすって何?」
羂索がこてんと首を傾げた。
(頭を傾ける姿も可愛い…)
「ありがとうございますを略した言葉です。特に深い意味はないので。」
「そうかい。話変わるけど、あの呪物に私の血を混ぜたら赤血操術が刻まれたんだ。呪物だから赤血操術を扱えないけど。」
これで脹相の親が3人になるのか。血を混ぜる=親になるは少し変だから、別の実験もしたのだろうか。
「あと、呪霊を明日探しに行くよ。君を孕ませるために。」
(最推しに君を孕ませるためにって言われた〜!!!)
孕ませるのは羂索ではなく呪霊だが、だとしてもそう言われると興奮する。
その声を録音して目覚まし時計の代わりに流したい。
「…了解です。」
興奮しているのは隠して、平常心を保っているように返事をしたのだった。
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