ローレン・イロアス
叶
葛葉
※ ご本人様には関係ありません。
うーん 。
スマホである通販サイトを眺めていると、気の惹かれる広告が流れて来た。
『 ライバーオーディション? 』
『 なんだそれ 、 』
このライバーオーディションとは今流行りのVtuberと言われるバーチャルの世界で活動するYouTuberの事をVtuberという。そして俺が憧れたあのChroNoiRもにじさんじのVtuberとして幅広く活動している。
しかも、にじさんじのオーディションとなれば俺はスルーするつもりはない!勢い良く画面をタップするとオーディションサイトへと画面が移動する。
画面が切り替わるとそこには、つらつらと採用条件などやオーディションの流れなどが載せられていた。他にも配信経験がある方が受かりやすい。など様々な事が書かれていた、そんな経験勿論あるわけがない…がもしかしたら受かることは出来るかも知れない。決して受かることは出来なくとも、これから配信者として活動して行くことだって不可能ではない。
『 俺でも 、出来るかも知れない … だったら俺は 、にじさんじ に入りたい っ ! 』
俺は、目をむぎゅっと、瞑って応募ボタンをタップし、質問に答え、名前や職業などの個人情報を打ち込み、送信ボタンを押した。
送った後に考えるのも変だが、これで良かったのだろうか。配信者のことはなんか詳しく知らないし、ゲームだって雑談だってうまく出来るだろうか。今こんなに不安に押し潰されてしまっているのに配信者として活動したら俺はどうなってしまうのだろう。
『 どうしよう … 』
この感情は何だろう?不安?恐怖?ワクワク?すべての感情が掻き回されて何とも言えないが、心のどこかにつっかえる。
そんな事を心の内に秘めながらも、退屈な日々を過ごしていた。
そして、応募してから1週間ほどたった頃。
お風呂も終わって一服でもしようかと思っていた時、ピコン、とスマホが鳴った。こんな時間に何だろうと不思議に思いスマホを開くと、1つのメールが届いていた。そのメールをタップするとついこの間応募したオーディションの結果通知だった。
胸に手を当てなくても、鼓動が脈打つのが分かるほど緊張が止まらない。
ドキドキしながらメール画面をスクロールすると『合格』という文字が瞳に浮かぶ。その瞬間、とてつもない喜びと安心が止まらない。
『 はっ?! … マジか!マジか!! 』
その安堵も過ぎ去り、メッセージを読み進めると来週に二次審査が東京であるという。その二次審査のやり方は面接を行い三人の面接官と3対1でやりとりをするそう。
上手く対話できるかな。目を合わせられるかな。そんな不安になってきて泣きそうになってきた。
全然先の事なのに全然不安だ。でもやると決めたからには逃げるわけには行かないし、絶対ににじさんじにと決めたんだから…と自分に無理矢理言い聞かせる。
そして、そんなこんなしていると寝ようと思った時間から1時間程たって深夜の2時になってしまっていた。急に眠気に襲われ、ベッドへと倒れこむ。段々と意識が遠退いていく、そして直ぐに深い眠りへついた。
あの通知が来てから毎日面接の練習をしている。
あっているかは分からないが、作法からなにから何までYouTubeで全て調べて練習を繰り返す。
そんな日々を送っているといつの間にかオーディション前日になってしまった。
でも、なぜか不安はない。自分なりに行こうただそれだけ。
でもただ心配なのが無事オーディション会場へ辿り着けるかどうか。外に出ることがないゆへの欠点。地図だって読めないし、道を誰かに聞きたくもない。
辿り着ける自信がなかったため急いで、電車を調べて、タクシーを予約する。
明日来ていく洋服だって通知が来てから直ぐにネットで購入して一昨日届いたばかりの新品。
また考えている内にまた明日起きられるかという心配事が増えてきた、まだ午後5時だがなぜか不安だったため今日はもう寝ることにした。
そして、オーディション当日を迎えた。
プラスして昨日の予想が見事的中し無事寝坊している。本当は朝10時に起きて11時30分に家を出るはずが、今起きた時刻は11時20分。どうしようかと思考回路を全力で回転される、悲しくも朝だったため全然焦りが増す一方。とりあえず動かなければと思い、急いで身だしなみを整える。15分で身だしなみを整え、5分のタイムオーバーをしてしまっ。挽回するため荷物を持ち自宅の鍵を閉めて、全力で駅へと向かう。
無事5分で駅につき、乗らなければならない電車になんとか乗ることが出来た。
『 良かった ~~ … 』
空いていたお陰で走って疲れた体を丁度休めることが出来た。運動不足のせいか体の衰えを感じて少し将来が心配になってくる。
電車に揺られ15分がたち、予定どおりの時間で目的の駅で降りることができた。スマホでタクシー乗り場までの道を辿りながら、タクシーの順番を待つ。
そして順番が回り、運転手に目的地を伝えタクシーへと乗り込む。
緊張を逸らそうと外を眺める、タクシーの窓から見える都会の景色はあまり良いものではないのかもしれない。人は多いし、車や建物がたくさん。でも不思議と居心地はいい。狭間に運転手と会話を交わしているとあっという間に会社のに着いてしまった。
タクシーを降りとうとうか…と会社の前で深呼吸をし呼吸を整えて、エントランスをくぐる。
受付で部屋に案内された。
そこは同じオーディションを受けているのだろう。10~15名ほどのメンバーが居合わせていた。
呼ばれるまでこの部屋で待機をしていなければならない。そして俺を含め5名の人が面接室へと呼ばれた。
扉を開くと3人の面接官と、五席の椅子が横一列に並ぶ。そのなかで俺は右端っこに腰を落とす。
そして、とうとう面接がはじまった 。
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