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律は氷袋を押さえたまま、しばらく黙り込んでいた。
けれど、胸の奥に生まれたざわめきはどうしても抑えられなかった。
「……桜坂さんは」
低い声に、華がびくりと肩を震わせる。
「は、はいっ……?」
律は視線を外さずに続けた。
「俺のこと……どう思ってるんですか」
唐突な問いに、華の心臓が大きく跳ねた。
「えっ……そ、それは……」
視線が泳ぎ、頬がますます赤く染まっていく。
答えられない自分がもどかしくて、唇を噛む。
律の胸にも同じように熱が広がっていた。
(聞いてどうするつもりなんだ、俺は……)
二人の間に、言葉よりも熱い沈黙が落ちていった。