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第57話『祈りの光、守るということ』
🌸 神の試練:セレナ編
神の加護を受けた空間――
光の柱に包まれたセレナの身体は、静かに“心の奥底”へと誘われていく。
気づけば、そこはどこか懐かしく、そして切ない世界だった。
風の香り、空の色。……これは、かつて過ごした惑星レファリエの情景。
「ここは……?」
戸惑う彼女の前に、“少女の姿をした自分”が現れる。
その少女は、ただ祈っていた。
遠くの星にいる兄の無事を――そして、自分にできることを、ただ探していた。
⸻
🌌「あの時、私は……何もできなかった」
「どうして、私はそばにいなかったの……」
少女のセレナはつぶやく。
リオンが命を落としたあの戦い――
彼女は遠い星から、ただ祈ることしかできなかった。
燃える空、響く悲鳴。
兄の命が散るその瞬間すら、見ることができなかった。
それが、セレナの中でずっと消えなかった“後悔”だった。
(私は、兄を助けられなかった。
そしてゲズも……どれだけの苦しみを、背負ってきたんだろう)
⸻
💔「誰かを“守る”って、どういうことなの……?」
静かに問う声が響く。
そのとき――目の前に、光の中から「リオンの幻影」が現れる。
だが、その瞳はどこか冷たい。
まるで、セレナの“迷い”を映し出すように。
リオンの幻影「祈るだけで、誰かを守れるのか?」
セレナ「……!」
リオンの幻影「サタンが迫っているのも、戦いが続くのも――
お前がその力を“選び取って”いないからじゃないのか?」
セレナ「違う……私は、私は……!」
揺れる心。
だが、次の瞬間――ゲズの笑顔、ウカビルの背中、そして復活したリオンの姿が浮かぶ。
彼らは、自分を信じ、仲間として支えてくれた。
そして、自分もまた“誰かを守りたい”と強く願っていた。
⸻
🌟「私はもう、祈るだけじゃない!」
セレナは立ち上がる。
瞳には、揺るぎない光が宿っていた。
「私は、“守る”ってことの意味を知ってる!
そばにいなかった時間も、無駄じゃなかった!
私は――大切な人たちを、この手で守る!」
その言葉とともに、幻影のリオンは静かに微笑んで消えていく。
「……そうか。なら、その覚悟――証明してみせろ」
⸻
🌈 試練の終わり、そして強さの芽生え
光が収束し、セレナは再び神の間へと戻ってきた。
胸に残るのは、かつての無力感ではなく、確かな“意志”。
リオンのために、ゲズのために、仲間のために――
「私は、もう迷わない。
たとえこの先に“神すら超える試練”があろうとも、私は守り抜く」
その瞳は、確かに“英雄”のものだった。