テラーノベル
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白光に包まれた空間。
クレイズの暴走した核が、空間そのものを喰らいながら膨張していた。
アリアの煌。
リネアの煌。
レイヴンの刃。
そして――クレイズの記憶。
全てが共鳴し、光と闇が混じり合う。
***
クレイズの身体が崩れていく。
「……俺は、こんな風に、終わりたくなかった……」
「まだ間に合う……!」
リネアが、必死に光を差し伸べる。
「煌は、人を選ばない。
“手を伸ばせば”、必ず届く。
私はそれを、アリア様に教わった!」
アリアが、静かに歩み寄る。
「クレイズ。
あなたの煌は、ずっと悲しみに閉じ込められていた。
でも、誰よりも、煌を“愛していた”のは――あなたよ」
その瞬間――
クレイズの瞳から、
一滴の“涙”が零れ落ちた。
「……っ……煌に、涙なんて……もう残ってないと思ってたのに……」
💫《煌印・ラストシンフォニア》
──“全煌”の共鳴による、最後の響き。
アリアの七色。
リネアの白。
レイヴンの青。
クレイズの闇から還った黄金。
全てが“音”のように交差し、
異界そのものを“旋律”として包む。
そして、煌が一つの“名前”を持った。
🌟《煌名・エテルネス》
──意味は、「永遠とともにある煌」
***
世界が静かになった。
異界《コルノス》が、ゆっくりと消えていく。
アリアたちは――丘の上に、戻っていた。
全てが、終わった。
だが、それは“始まり”でもあった。
「……アリア様、これで、いいんですよね……」
リネアが尋ねる。
アリアは微笑む。
「ええ。煌はもう、“誰かを裁く力”じゃない。
これからは、“誰かと生きる光”になる」
レイヴンが、そっと言う。
「ですが……代償が、残りました」
アリアの右手が、光の粒となって消えていた。
「私は、七色の煌と核を共鳴させた。
……もうすぐ、この身も、“煌”に還るわ」
「ダメッ!!!」
リネアが叫ぶ。
「一緒に戻ろうよ!!アリア様ッ!!」
アリアが、静かに首を振った。
「リネア……私は、“煌”の始まり。
でも、あなたは、“煌”の未来」
「だから――」
🌈「君に、“煌王”の名を継いでほしい」
***
その瞬間、リネアの中で煌が膨れ上がる。
白だった煌が、ゆっくりと七色へと変わっていく。
それは、世界が彼女を“選んだ”のではなく、
彼女自身が煌を“受け入れた”証。
🌸「……はい。私が……煌を繋ぎます。
この世界の、全ての“心”とともに――」
そして――
アリア・レグリスは、最後に微笑んだ。
「ありがとう。リネア。
あなたに出会えて、本当によかった」
光の粒が空へ昇り、
七色の空に、流星のような煌きが走った。
🌈✨
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