めちゃめちゃ不穏
あたしは慌ててドアノブを捻った。
「はーい」
そこには睨みつけているかのように錯覚するくらいの鋭い視線であたしをみる人物がいた。
「……お母さん」
「………。弁当、買ってきたけどいる」
お母さんは弁当をぐいっと突き出してきた。
「えっと、ありがと。でも、夜ご飯はお兄ちゃんが作ってくれたからもういらな…」
パンッ。
「……え?」
なんの音なのか、一瞬のことで理解が追いつかなかった。
頬がひりひりと痛む。
手で触ってみると、少し腫れていることがわかった。
あたしは殴られたのだ。
お母さんは、あたしをごみを見るような目で見た。
「せっかく買ってきてやってんのに、なにその態度。アタシの苦労を誰もわかってくれないの!?アタシは、アンタたちのために毎日働いて養ってあげてるよねぇ!?」
お母さんはガンっと弁当を床に叩きつけ、心底嫌そうに顔を歪めた。
「っあ…、お弁当が…。お母さん!」
ぐちゃぐちゃになった弁当を見つめながら、お母さんを呼び止めた。
「適当に捨てておいて。それ、もういらないから」
冷たく刺さる視線。
「アタシは寝るから。疲れた」
お母さんは一度も振り返らないで自室へと戻っていった。
お母さんは、いつもこんな感じだ。遅く帰ってきて、文句を言うだけ言って、寝る。理不尽に殴ることもたまにある。
あたしは殴られた左頬に手を添え、ベットに横になった。何も、感じなかった。
なんかねー。こういう親っていうの?最近こんな親が出てくる漫画ばっか見てるからさ…。タコピーとか。タコピーとか。
次回、救いあるんでまあ、大丈夫っしょ!!
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