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#夢主
そら
255
みゅう

68
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「では、行ってきます」
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本部の正門。
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馬に乗った〇〇が振り返る。
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調整任務。
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各地の商会。
支援者。
駐屯兵団。
地方行政との会談。
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期間は一週間。
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分隊長として初めての長期出張だった。
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「お気を付けて!」
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「分隊長ー!」
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見送りは賑やかだ。
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〇〇はいつも通り笑っている。
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その少し後ろ。
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兵士長が立っていた。
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腕を組み。
無表情で。
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誰が見てもいつも通り。
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だが。
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恋人の〇〇には分かった。
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少し寂しそうだ。
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ほんの少しだけ。
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だから。
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誰にも気付かれない程度に。
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小さく笑った。
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リヴァイだけに分かるように。
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すると。
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リヴァイの目元が僅かに緩む。
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一瞬だけ。
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本当に一瞬だけ。
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そして〇〇は出発した。
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その日の夜。
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本部は静かだった。
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食堂も。
廊下も。
訓練場も。
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何も変わらない。
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なのに。
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妙に静かだった。
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リヴァイは不機嫌だった。
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自覚はない。
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だが周囲は気付いている。
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「兵士長今日機嫌悪くない?」
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「悪い」
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「朝から三回怒鳴られた」
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「俺五回」
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兵士たちが震える。
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いつもより厳しい。
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掃除の指摘も細かい。
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報告書の修正も増えた。
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完全にとばっちりだった。
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そして。
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団長室。
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「リヴァイ」
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エルヴィンが呼ぶ。
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「何だ」
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「座れ」
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「仕事なら立ったままでいい」
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「仕事じゃない」
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嫌な予感。
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非常に嫌な予感。
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向かいにはハンジもいる。
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もっと嫌な予感。
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「〇〇がいないね」
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即座に来た。
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「だから何だ」
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「寂しい?」
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「殺すぞ」
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ハンジが笑う。
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エルヴィンも珍しく口元が緩んでいる。
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「隠す必要はない」
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「何の話だ」
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「我々には」
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リヴァイが沈黙する。
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数秒。
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そして。
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観念したように小さく息を吐いた。
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「……いつからだ」
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ハンジが机を叩く。
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「認めた!!」
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「うるせぇ」
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「やっぱり付き合ってるんだ!」
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「うるせぇ」
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エルヴィンが苦笑する。
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「十五の頃から知っている」
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静かな声だった。
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リヴァイが顔をしかめる。
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「は?」
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「君が彼女を見る目が違った」
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「最初から分かりやすかった」
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ハンジも頷く。
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「超分かりやすかった」
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「分かりやすくねぇ」
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「分かりやすい」
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即答。
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二人同時だった。
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「〇〇が笑うと機嫌が良くなる」
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「怪我すると殺気が出る」
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「褒められると自分のことみたいに嬉しそう」
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「他の男が近付くと怖い」
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リヴァイは額を押さえた。
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思った以上だった。
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全然隠せていなかった。
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「最近なんてもっと酷い」
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ハンジが続ける。
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「柔らかくなった」
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「は?」
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「雰囲気」
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エルヴィンも頷く。
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「以前より余裕がある」
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「人間らしくなった」
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「気持ち悪いくらい」
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「クソメガネ」
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殺気。
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だがハンジは止まらない。
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「恋愛ってすごいね」
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「黙れ」
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「幸せそうだもん」
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「黙れ」
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そのやり取りを見て。
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エルヴィンは少しだけ微笑んだ。
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長い長い片想いだった。
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十五歳から。
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何年も。
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ようやく報われた。
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それを知っているからこそ。
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からかい半分。
安心半分だった。
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その頃。
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食堂。
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数人の兵士が話していた。
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「やっぱり兵士長おかしい」
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「分かる」
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「ここ一週間機嫌悪すぎる」
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「理由なんだ?」
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そこで。
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以前から勘の良い兵士がぽつりと言った。
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「分隊長」
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全員が見る。
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「今いないだろ」
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沈黙。
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「まさか」
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「いや」
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「でも考えてみろ」
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兵士は真面目な顔をしていた。
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「分隊長がいる時だけ」
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「兵士長ちょっと優しい」
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「分隊長が怪我した時付きっきり」
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「分隊長がいなくなったら不機嫌」
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「最近やたら柔らかい」
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一同が黙る。
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点と点が繋がり始める。
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「……」
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「……」
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「……あれ?」
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誰かが呟く。
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「本当に好きなんじゃね?」
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食堂が静まり返った。
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そして。
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全員の脳裏に浮かぶ。
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無表情な兵士長。
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〇〇を見る時だけ少し柔らかい目。
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医務室。
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付きっきり。
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最近の変化。
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「……あり得る」
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「いや、でも」
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「あり得る」
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「むしろそうとしか思えなくなってきた」
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兵士たちは顔を見合わせた。
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証拠はない。
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何もない。
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だが。
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確信に近付いていた。
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そして当の本人は。
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その夜。
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自室で短い手紙を見つめていた。
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出発前に〇〇から渡されたものだ。
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『一週間だけだから』
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たったそれだけ。
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それなのに。
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自然と口元が緩む。
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誰も見ていない部屋の中でだけ。
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リヴァイは静かに思った。
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早く帰ってこい。
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その願いは。
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十五歳の頃よりずっと素直だった。
コメント
1件
みゅうさん、第14話読み終わりました! 今回は"不在"を軸にした静かなエピソードでしたね。〇〇が旅立つ別れ際、リヴァイのほんの一瞬の表情の変化を恋人だけが読み取れる——あの描写がすごく好きです。そして彼がいなくなった途端の兵士長の不機嫌さ、エルヴィンとハンジの"知ってる"コンビネーション、食堂での兵士たちの考察合戦……どれも"リヴァイがどれだけ〇〇に心を許しているか"を物語っていて温かい気持ちになりました。最後、手紙の一言で口元が緩んで「早く帰ってこい」と思えるまでになった彼の変化が本当に良いですね。 続きが待ち遠しいです!