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さのじん
『うちのさのさんは人気者です。』
…まぁ うちのってか、同じグループのメンバーな訳ですから、僕もそれなりに人気者させてもらってる訳ですが。
それを何倍も上回るくらいの人気度です。
その、なんだかんだのハンサム(古)さで、万人に大人気で世間からは常に注目を浴び、本来のシャイな人柄からは想像できない面白さで、近年はバラエティ番組方面でも信頼を得てる。
向かうところ敵無しな感じではありますが、そんなさのさんは今、無防備にも僕の膝枕で爆睡していたりします。
「疲れてんだろなぁ…」
そりゃ疲れてるか。
通常ならば人前では眠ることのできないこの人が、楽屋で会うなり、「膝枕してくれ」と要求してくるくらいだから。
恥ずかしいからとことん拒否ったろうと思ったけど、今にも立った儘寝てしまいそうなさのさんに何も言えなくなり、そして今に至る。
でも まぁ別に。
甘えられるのもイヤじゃないし。
それに。
こんなさのさんを知っているのは、きっとメンバーの中でも自分だけだろうと思うから。
ちょっとだけ、ユウエツカンとやらを抱く。
「あんま、無理しないでよ さのさん」
僕は、さのさんを起こしてしまわないように小さくつぶやいて、そっと頭を撫でた。
『うちのよしださんは優しさがハンパないです』
…まぁ、他のメンバーの中にも優しさ∞なやつもいますが、というかほとんどみんなが優しいわけですが。
何だかんだと、結局俺が甘えてしまうのはこのよしださんだったりします。
今日だってふらつく足取りで楽屋を開けてよしださんを見るなり、膝枕してくれとむちゃぶりしてしまった俺に。
このひとは若干複雑な表情をしながらも「べつに、いいけど。」と男前に頷いて、なぜだか両手を広げてくれました。
そして爆睡体勢に入ったところ、頭の上から小さな声が聞こえてきます。
「疲れてんだろなぁ…」
疲れてんのはお互い様です、つーかお前の方が疲れてんじゃね。
「あんま、無理しないでよ さのさん」
それはこっちのセリフよ、よしださん。
ほんと優しいよなぁ。こんなことしてくれんのも許してくれんのも、メンバーの中で俺だけだよな、よしださん。
頭を優しく撫でる手付きに身を任せ、ほんのりとユウエツカンを抱きながら、
俺は深い眠りに引きずり込まれていった。
end.
ワンパターンのスランプ…!!!