/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！
セフレから始める雪色の恋模様～m×k～
Side目黒
冷たい空気が肌を刺して、意識が浮上する。
特有の倦怠感に包まれた体をゆっくりと起こして、部屋の中を見回す。
——わざわざ確認しなくても、彼がもうこの部屋にいないことなど分かっているけれど。
そういえば、昨夜の前に康二は自身のパートだけ新曲のレコーディングが詰まっていると言っていたな、と思いながらベッドから離れ、洗面所に向かう。俺はいつもこの瞬間が嫌だった。
あんなに求め合っても、目が覚めたら幻だったかのようにもうそこには誰もいない。
この関係が続いているのが嬉しい反面、切なくもある。仕方がない。
俺と康二——同じグループのメンバー。
恋人なんて甘い関係ではなく、いわゆる、そういう関係なのだから。
洗面台の鏡に映った自分の顔を見る。首筋にうっすらと残った痕跡が、昨夜の出来事が夢ではなかったことを物語っている。
でも、それすらも虚しく感じるのは、康二がいないからだ。
「康二…」
小さく呟いてみる。当然、返事はない。
いつからだろう、こんなに寂しく感じるようになったのは。
こんな関係、いつまで続けるんだろう。
そんなことを考えながら、俺は顔を洗った。
――――――――――――――
事の始まりは今から数年前。
まあ、今思えば二人とも若かった、としか言えないが、デビュー前の思春期特有の、性への好奇心からだった。
グループ加入当初、寮生活をしていた俺たちは、深夜によく恋愛トークに花を咲かせていた。
他のメンバーが寝静まった後、リビングで二人だけになることが多かった。特に康二は、こういう話が好きだった。
「めめは、恋人ができたらどんなことしたい？」
ある夜、いつものようにソファで並んで座りながら康二が聞いてきた。コンビニで買ったアイスを食べながらの、他愛もない会話だった。
「そうだな…普通のことかな。手を繋いだり、一緒に映画を見たり」
「普通って何や、つまらんなあ」
「康二は？」
「俺は、もっといろいろしたいなあ」
康二の頬が赤くなっているのを見て、俺も恥ずかしくなった。
「いろいろって？」
「えー、めめ知らんの？そういうこと、や」
「そういうことって…」
康二がもじもじしながら説明する姿が可愛くて、俺の胸がきゅんとした。当時はまだ、それが恋愛感情だと気づいていなかったけれど。
「でも実際、何したらええんか分からんやん」
「うん、確かに」
「本とかネットで見ても、実際は違うかもしれんし」
「そうだね」
お互い、もし恋人ができたならこうしたい、ああしたいだのと他愛もないことで盛り上がり、ひとしきり笑ったところで急に康二が真面目な顔になってこう言ったのだ。
「練習せえへん？」と。
最初、何を言われたか分からずきょとんとしていた俺に、彼は内緒話をするようにぽそぽそと説明し始めた。
「あーだこーだ言うても、実際そうなった時に緊張して何もできへんのは男として恥ずかしいやん」
「うん…」
「せやから、今のうちに練習してみいへん？」
「練習って、つまり…俺と康二が、そういうことをする、ってこと？」
「そういうことや。めめ、嫌？」
康二の不安そうな表情を見て、俺の心臓が跳ねた。
嫌なわけがない。むしろ、嬉しすぎて困惑していた。
「嫌じゃない、けど…」
「けど？」
「本当にいいのか？俺たち、グループメンバーなのに」
「だからこそやん。信頼できる相手や」
「信頼…」
「めめやったら、変なことせえへんし、優しいし」
康二の素直な言葉に、胸が温かくなった。
「でも、康二がそれでいいなら…」
「ほんま？」
「うん」
至った結論があまりにもあまりすぎて、頭が一瞬真っ白になってしまった。
が…俺も若かった。思わずその提案に頷いてしまったのだった。
興味がないわけでもなかった。
でも、これが重要なのだが、俺は康二に、少なからず密やかな思いを寄せていたのだ。
グループ結成当初から、康二の明るさに惹かれていた。いつも周りを笑顔にして、みんなの気持ちを明るくしてくれる。落ち込んでいる時も、康二がいるだけで元気になれた。そんな康二と特別な関係になれるなんて、夢のようだった。
純粋に嬉しかった。
例え、練習の疑似恋愛の形をとるとしても、康二と寄り添えるなら。
今まで誰も見たことのない康二の全てを初めて見る人物が自分であるということが、ひたすらに嬉しかったのだ。
「めめ、ほんまにええの？」
「うん…俺も、興味はあったし」
「そやけど、めめが嫌やったらすぐ言うてな」
「康二こそ、無理しなくていいからな」
「分かってる。ありがとう、めめ」
康二の安堵した表情を見て、俺は改めて決心した。
康二の初めてを、俺が受け取れる。それだけで十分幸せだった。
「じゃあ、いつから？」
「今度時間ある時でええよ」
「明日の夜は？」
「明日？」
「ダメかな」
「ダメやない、ただ…緊張するわ」
康二が照れながら言うと、俺も急に恥ずかしくなった。
「俺も緊張する」
「お互い初めてやもんな」
「うん」
続きはnoteで作者名『木結』（雪だるまのアイコン）で検索して下さい。
※本編とは別に、R-18版をおまけ小説としてご用意しています。
