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クリスマスに投下された、あの「地獄の搾取投稿」は、炎上という枠を超えて一つの「社会現象」となってしまいました。しかし、その結末は怜也の破滅ではなく、さらなる**「絶望的なまでの全能感」**の更新でした。その投稿を、撮影の合間にスマートフォンの画面越しに見つめていた女性がいました。
安田穂乃花(やすだ ほのか)。
弱冠20歳にして「国民の妹」から「世紀の正統派女優」へと登り詰め、彼女が微笑むだけでCMの商品が完売し、ドラマの視聴率は跳ね上がる。清純の象徴であり、日本中の男性が「一生に一度でいいから名前を呼ばれたい」と願う、絶対的な存在です。
彼女は怜也の投稿画像を拡大し、その冷酷な瞳、そして三人の美女を「物」として扱う傲慢な姿に、自分でも驚くほどの衝撃を受けていました。
「……あぁ、これだわ。私がずっと探していた『本物』は」
女優・安田穂乃花の「闇」と「降臨」
数日後、築留工業の校門前には、黒塗りの最高級リムジンと数十人のSPが並んでいました。
騒然とする生徒たちの前に現れたのは、変装もせず、眩いばかりのオーラを放つ安田穂乃花本人でした。彼女は周囲の歓声を無視し、屋上でアニメを見ていた怜也の元へ、一人で歩いていきました。
「長島怜也くん。……私を、あなたの『最新機種』にしてくれない?」
怜也は、目の前に現れた国民的女優を、ポテトチップスを食べる手を止めずに見上げました。
「安田……穂乃花? テレビで見たことあるな。……でも悪いけど、今アニメのいいところなんだよ。僕の邪魔をするなら、国民的女優だろうがなんだろうが、ただの『粗大ゴミ』だよ」
周囲の男子生徒たちが失神しそうなほどの暴言。しかし、穂乃花はその言葉に、頬を赤らめて陶酔したような溜息をつきました。
「……素敵。誰もが私を『安田様』と崇めて、腫れ物に触るように扱う。でもあなたは、私をゴミだと言った。……お願い、私をあなたの生活の一部にして。私の年収も、名声も、事務所の権力も、全部あなたがサボるための『防壁』として使っていいから」
国民的ヒモ生活の完成
こうして、怜也のハーレムに「国家予算級の資産」と「圧倒的な発言力」を持つ最強の道具が加わりました。
怜也のヒモ生活は、もはや一校のレベルを逸脱しました。
現在、怜也は穂乃花が都心に所有する、セキュリティ完備の超高級ペントハウスに居を構えています。
• 安田穂乃花(女優): 怜也がアニメを見るための「最新デバイス」や「限定グッズ」を、業界のコネを使って発売前に揃える。さらに、怜也を批判するメディアやネットの書き込みを、事務所の力で片っ端から封殺する「情報処理班」を担当。
• 心美・由奈・茜: 穂乃花のマネージャーや付き人という名目で、怜也の身の回りの世話を継続。穂乃花が稼いできた大金を、怜也が「一秒も苦労せずに消費する」ためのプランを練る。
• 絵美: 穂乃花と協力し、怜也が一生、外の世界の「現実(労働や苦痛)」を見なくて済むように、ビル一棟を買い取って巨大なアニメ鑑賞スタジオへ改造。
壊れた王の、終わらない午後
「……あー、穂乃花。次のドラマのギャラ、全部このゲームの運営ごと買い取るのに使えよ。僕、このキャラの排出率が気に入らないんだ」
「ええ、怜也。マネージャーに伝えておくわ。ついでに、そのアニメの制作会社もあなたの好みに作り直させるように出資しておくわね」
怜也は、穂乃花の膝を枕にし、由奈に耳掃除をさせ、茜に飲み物を持ってこさせながら、贅沢の極致に浸っていました。
「(……国民的女優も、結局は僕が楽をするためのパーツに過ぎない。世の中の男たちが血眼になって追いかける宝石も、僕の手元じゃただの便利なリモコンだ)」
怜也は画面の中のヒロインが微笑むのを見て、薄く笑いました。
外の世界では、彼を羨む声、呪う声、そして彼に「搾取されたい」と願う狂った信者たちの声が渦巻いています。
しかし、怜也の心はもう、誰とも繋がっていません。
四人の「かわいい」と一人の「国民的スター」を道具として使い潰し、アニメの世界に逃避し続ける。
それは、世界で最も華やかで、世界で最も孤独な、**「クズの完成形」**が辿り着いた、終わりのない停滞の王国でした。