テラーノベル
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〜注意事項〜
・1話参照
◇◇◇
あの夜、森をいくら探してもciは見つからなかった。
護衛でやってきたut、knらが戦い終わって、捜索に協力をしても見つからなかった。
遠くへ行ってしまったのか、もしくは誰かに攫われたか。
それを決めることも出来ず、zmはただひたすら森を探した。
時間やciの走力を計算して、捜索場所を絞ろうともした。
けれども森は広く、さらには沢山の道がある。
ciがどれを選ぶかによって、また居場所は変わる。
「 …shpくんごめん。 ciを見つけることが、できなかった。 」
「 …!! 」
shpに伝えることが、どれだけ辛かったか。
zmは深く俯き、shpに謝罪をした。
shpは怒りはしなかったものの、ただ頷くだけであって、彼に傷が出来るのをzmは感じるのだった。
zmはフードを掴み、鼻先まで下げて医務室を去っていった。
「 …なあ、shpくん。 」
zmが去った後、残っていたknが気まずそうに笑った。
shpは俯いたまま、目線だけを彼に向けた。
「 俺さァ、アイツが簡単にヤられるとは思えないねん。 生憎、俺は自分の目で見たモンしか信じられなくってなァ。 」
knは頬杖を着きながら、机に転がるペンで遊んだ。
shpはゆっくりと身体を起こし、顔をknに向けた。
「 なあ、お前が1番分かってんねやろ。 アイツが、ciがどういう行動を取るか。 」
「 knさんは、一緒に怒られてくれるんすか。 」
「 はははッ、勿論。 幸い、怒られるのには慣れとる。 」
knはギシ、と痛むパイプ椅子から立ち上がり、shpに手を差し伸べた。
shpは足で布団を蹴り飛ばし、立ち上がった。
冗談にも、元気満タンではない。
だが、アドレナリンだかなんだかが働き、shpの背中を支えていた。
「 ciは、敵にヤられるような弱くて軽いヤツじゃありません。 」
バイクのヘルメットを投げるknに、そう伝えた。
knは、じゃあ平気やねと、明るく返した。
その表情はヘルメットに隠れ、shpに伝わらないまま、前へと向いた。
◇◇◇
しばらく森の中を探索していると、shpが声を漏らした。
「 knさん、あそこ向かってくれませんか?? 」
「 なんや?? …あの小屋か?? 」
shpの指の先には、古びた小屋が1つ。
伸びきった草に侵食されそうになっている。
knはバイクを止め、shpに肩を貸しながらその小屋へと向かった。
小屋の扉が開いているのを見ると、shpはknの肩から腕を離し、駆けて行った。
慌てて腕を掴もうとしたが、knはそれを止めて、静かに後ろから着いて行った。
「 こんな小屋、わざわざ入るとは思わへんな。 zmなんかは特に、こういう所までは探さないだろうし。 」
そう呟くが、恐らくshpには聞こえていなかった。
shpは扉を開けて、中へと入る。
「 ciッ!!!!!!!! 」
そこには、shpの予想通りciが_
「 く"るなァ”ッ!!!!!!!!!!!! 」
「 shp伏せろッッ!!!!!!!!」
一瞬の隙もなく、発砲された銃弾にshpは唖然と動くことができなかった。
knは慌ててshpを着き飛ばすと、喉を震わせてその場に倒れた。
「 knさッ… 」
「 shpは動くなッ… お前は出てきちゃダメや。 」
knは肩から流れ落ちる血液を気にもせず、ゆっくりと立って、小屋の中を覗き込んだ。
中にいるのは確実にciであった。
けれども、何処か様子がおかしい。
俯き気味に、目線だけをこちらに向けている。
まるで、目が飛び出しそうなくらい強い眼力で睨んでいる。
そして、握られた拳銃。
あの時、投げ捨てられていた拳銃とは変わって、何処かから拾ったのか。
もしくは、もう1つ持っていたのか。
「 ci。 聞こえるか、knや。 お前を迎えに来た。 」
「 来るな"ッ…!! 」
「 分かった、分かった。 これ以上は近寄らへん。 でも、聞いてくれ。 俺はお前を助けに 」
「 黙れェ”ッ!!!!!!!! 」
バシュッ!と足元に銃弾が放たれる。
洗脳の類だろうか。
この短期間で誰にやられた。
それに、誰かが来たような形跡は見当たらない。
仮に、洗脳されたとしても、ciが抵抗をした形跡も見当たらない。
「 …shp、護衛を頼め。 」
「 …!! 分かりました、!! 」
「 ……せやなあ、rb辺りがええ。 」
「 了解、 」
knはゆっくりと、扉を閉めた。
今のciを長時間下手に刺激させたらどうなるか、分からなかったからである。
洗脳の類には、これまた沢山種類があって、刺激すると更に精神がぶっ壊れるものもあれば、パニックになるもの。
はたまた、洗脳が解けるものもある。
ともかく、医療系に携わらないknにとっては、分からないことばかりであった。
「 …ッ、rbさ 『 お前どこに行ってんねん!!!!!! 』 …!! 」
インカムを繋ぐと、rbの怒鳴り声が耳に鳴り響いた。
そういえば、医務室を抜け出して来たのだった。
叱られるのは後でなければ。
今はやらないといけない事がある。
「 rbさんッ、すみません黙って抜け出して!! でも、とにかく!! 助けて欲しいんです!! 」
『 ああ?? なんやお前、その足で行って帰って来れないって?? 』
「 違います!! ciを見つけました!! 」
『 なんやって!? 』
「 けど、どうにも…洗脳かなんかにかかってて、正気を失ってるんです。 来てくれませんか!! 」
『 幸い、shpくんの騒ぎで皆起きてんねん。 誰を行かせればええ?? 』
ガサガサ、とインカム越しに物音がする。
それはrbの動く音か、もしくはrbの周りにいる彼らの音。
改めて味方の温かさを感じつつ、傍にあるはずの彼を思い、shpは手を握りしめた。
「 rbさん、来てくれますか。 」
『 ああ、rb……って、俺ェ!?!? 』
「 はい。 knさんがrbさんを呼べって… 」
『 なんで俺なんや…。 まあええ、行くわ!! 待ってろ!! 』
「 お願いします…!! 」
ブツリ、と乱雑に切られたインカムをポケットの中へと仕舞う。
knの元へ戻ると、knはドアの前に座り込み中に耳を傾けていた。
「 おう、rb来るって?? 」
「 はい。 …ところで、なぜrbさんを?? 」
「 …洗脳を受けると、視覚聴覚辺りは狂ってまうやろ。 rbは、そんな中でもよく声を届けてくれるからな。 」
「 そうなんですか、声大きいですもんね。 」
「 せやね。 アイツなら、ciに声をかけてくれるはずや。 」
自信満々に語るknに、shpは安心そうに息を吐いた。
knの足元に転がる、包帯を手に取りknの肩の様子を伺う。
knの肩は包帯が巻かれていた。
このことを、ciが覚えていなければいいけど。
shpはそんなことを思いながら包帯をポケットに詰め込んだ。
いつもは空っぽのポケットも今は膨らんでいる。
…ところで。
やけに洗脳に詳しいのだな、とshpは見下ろした。
少し疲れたようにため息を零すknは、shpの視線に気が付き上を見上げた。
3000文字しかないごめん
コメント
14件
あぇ‥思った5倍投稿が早い! 洗脳いいよね〜絵で描くとき虚な目にしたりぐるぐるにしたりするのが楽しい!続きがきになる終わり方好き♡あと、途中でrbrさん入れてくれるのちょっと嬉しい☺️