テラーノベル
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『ん〜っ、はぁ…』
背伸びをして、また作業をする。
こんな日常だ。
でも、今日はライブハウスに行く。
なぜかうきうきしている自分がいて、少し恥ずかしい。
あっ、自分の好きなバンドさんだ。
そんなことを思いながらライブを見る。
この前のグループ以外にも、比較的好きなバンドはある。でも、あれだけ衝撃を受けたのはあのグループだけだ。
「よろしくおねがいしまーす!」
あっ、あのグループだ。
「っ!」フリフリ
女の子が手を振ってくれた。
あっ、新しい曲かな?
あいかわらずいい曲だなとも思いながらその日のライブは終わってしまった。
ライブ終わり、いつもみんながいる場所に行ってみると、なにかを配っていた。
「あっ!こんにちは!」
『あ、お疲れ様です』
「今日もありがとうございました!」
『いえいえ、すごくよかったです!その、配っているのは…? 』
「あ、アルバムです!」
『へ〜!すごい!じゃあ、貰おうかな』
「ありがとうございます!」
あざやかに輝くそのアルバムは、きっとみんなの努力の結晶なんだろうな。そう思える
よし、今日もライブ終わって、アルバムも買って、とってもいい一日だ。
「あのっ…!」
『ん?』
「えっ、と…。この後、ご飯行きませんかっ」
突然のお誘いだった。
表情からして、きっとほんとうにそう思ってくれているのだろう。
いつもだったら断るはずだ。自分のことだってあるし、家に帰ってまた色々やる。
『いいですよ、行きましょ!』
あれ、自分、今、いいよって言った…?
自分で考えるよりも先に、口が動いた。
そんなことを考えていたら、いつのまにかカフェに居た。
『…自分のバカ…』小声
「すみません、いきなり誘って…」
『…いえいえ、どうせ暇なので、』
とっさに嘘…。嘘をついた。
きっと、嘘なはず。
「あ、えっと、名前…」
『あっ、そうでしたね笑〇〇です』
「山中綾香です!ほら、男子たちも、」
「高野清一でーす!」
「藤澤涼架です!」
…あれ、あの2人はなにも言わないのかな。
a「もう…2人も名前言ってよー」
k「こりゃだめだな」
「…若井滉斗です」
滉斗さん、と?
「………。大森元貴…です」
元貴さん。
a「すみません、」
『んふふっ、』
m「…?」
『いや、なんか…すごく面白いグループだなと思って…』
a「ありがとうございます…でいいのかな笑」
『どうだろう笑』
m「…」
そのあとも色々な話をした。
なんでライブハウスに行くようになったとか、どうしてバンドを始めたとか、趣味のことだったりとか…
『あれ、もうこんな時間だ…』
a「ほんとだ、笑」
k「え〜!もっと話したいわ〜」
話していくうちにタメ口だったし、名前で呼べるようになった。
こんなに早く人と仲良くできるものだろうか。
a「あ…、えっと、」
『?』
a「連絡先って…!」
『あー!交換する?』
a「うん!やったぁ〜!」
『はぁぁぁぁ!』
『つっかれた〜』
こう見えて真面目系でやってるんで、正直結構疲れる。
ポタ……
ポツ、ポツ、
『あ…』
うわー、最悪。こんなときに雨降るとかついてない。
あ、折りたたみ傘持ってるんだった。
よかった〜。
あれ、あそこに居る人、傘ささないのかな?
あ、もってないのかな。
よし、行ってみるか。
近くに行くと、高校生くらい?で、ダボッとしたパーカーを来ている。
雨が降っているのに立ち尽くしているから、きっと普通ではない。
『あの…大丈………あれ、』
コメント
4件
これまで私が読んできた中でTOP10に入るぐらい好きです! こういう物語を見ると自分も、若い頃から知ることができたらなって思っちゃう、、、 次も楽しみです!