テラーノベル
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「いらっしゃいませぇ♡ ご主人様っ♪」
教室に響く高めの甘い声。
カツンと鳴るローファーの音と、ふわりと揺れる黒白のメイドスカート。
男とは思えない美貌で笑うのは、小鳥遊 蓮(たかなし れん)
今は「LEN」の名でメイド中
けれど彼の下着の奥では、文化祭の熱気よりも熱い欲が脈打っていた。
対して、もう一人のメイド──
四宮 澪(しのみや みお)。
こっちは「MIO」。
鋭さを残した涼しげな目元、だけどその表情には確かに“色”があった。
「……似合ってんじゃん、蓮」
「なに、急に」
「いや、思ってたより……可愛すぎ」
「うるさいって」
──知られたくない。でも、バレたくて仕方なかった。
互いの“癖”が、気配を濃くして滲み出す。
誰にも見られない裏で、ゆっくり、ゆっくりと近づいていく。
昼休み。
蓮が給湯室にコーヒーを取りに行こうと廊下を歩いていると、後ろからコツコツと靴音が追いかけてきた。
「──蓮」
「四宮?」
「ちょっとだけ、来て」
「え、でも、接客……」
「……すぐ戻るから。な?」
そうして向かった先は、人気のない体育館裏の倉庫。
扉が閉まった瞬間、静寂が落ちた。
「……さっきの、見たんだよ」
「え?」
「鏡越しに、自分の姿見てたろ。……顔、真っ赤で」
「──っ」
「興奮してたろ? 自分が“女”みたいで、可愛くて……」
蓮の背筋がビクッと跳ねる。
言葉にされた瞬間、羞恥が走って、同時にぞくりと快感も走る。
四宮が一歩近づく。
メイド服の裾が触れ合って、視線の距離が近づいて、呼吸が絡んだ。
「俺、気づいてた。……蓮も、俺と同じ“癖”だって」
「……ちが」
「じゃあ、証明してみ?」
四宮が、蓮の顎に指を添えた。
その指がそっと持ち上げると──
「その顔、俺だけに見せろよ。……メスみたいな顔、さ」
瞳が揺れて、唇が熱を帯びる。
蓮は抵抗しない。
いや、できなかった。
キス。
軽く、でも熱を孕んだキスが落ちる。
お互いの“女装”に包まれた身体が触れ合うたび、心臓が跳ねた。
スカート越しに膝と膝が当たって、太ももが重なる。
下着の奥が熱い。濡れるほどの熱が──
「……やっぱ、可愛い」
「うるさい」
「続き、放課後……シていい?」
「…………っかって、ないくせに」
「……じゃ、試してみろよ」
第3話『放課後、二人きり』
──お前の奥、どこまで気持ちいいか教えてやる。
欲望は、もう戻れないとこまで来てる──
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