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夏の夕暮れ、川の流れる音や蝉の声を聞きながら、彼は一人で帰っていた、
「おーい!何勝手に帰ってるんだよ!」
おやおや、彼にはどうやら友達がいたらしい
「えっ??」
「あ…サーセン間違えました。」
どうやら友達ではないらしかっ た、
「はぁ、これだから人と関わるのは嫌いだ」
そんな事を言っていると、前から来た人に気付かずぶつかった、
自分よりも高い背丈に恐れを覚えながら顔をあげる…
「ごめんなさい、少しぼーっとしていたもので、」
「こちらこそ…」
そこには、彼が写真やテレビではないリアルではじめて見るほどの、可愛らしい女性が立っていた、
「お怪我はないですか?」
普段家族以外で人と話すことがない彼は、ぱっと言葉がでなかった、
「あの〜…」
「あ、ごめんなさい…平気です」
その言葉を聞いた女性はホッとしたような顔をして、歩いていってしまった、
彼は嬉しかった、こんなに優しくされたのはいつぶりだろうと、
そしてしばらくし、家に着いた
「ただいま〜、」
「あら、おかえり海斗明日から夏休みでしょう?友達と遊んだりするの?」
「しないよ、」
彼はやはり友達が居ないようだ、まぁそうだろう、人と話すのも苦手で、見た目が特別良いわけでもない、当然のことだ
「また、家ばっかいなさんなよ?」
「はいはい、」
彼は自分の部屋に着くとせっかくの休みを、満喫してやろうとエアコンを付け、ゲーミングチェアに座った、
「あ、かぁさーん!」
「なぁに?」
「飲み物持ってきてー!」
母をパシっているようだ、休みの間どうせほぼ家から出ないんだ、これくらいうごけばどうだろうか、
「飲み物もうないわよ!あんた運動不足なんだから自分で買ってきなさい!」
良く言った母、彼は重い腰を上げコンビニへと向かった、
「ついでにお菓子も買っておこう、」
また、買いに行くのはめんどいから、買い溜めするようだ、
「よし、飲み物も買ったし、買い忘れはないな、」
レジに向かい、カゴを置く
「あれ?」
その言葉を聞き、彼は顔をあげる
「さっきの方ですよね?」
そこに居たのは学校帰りにぶつかった女性だった、
「あ、はい」
「ここらへん住まれてるんですか?」
「そうです、」
「こんなにお菓子や飲み物買われてパーティーでもするんですか?」
そんなわけ無いだろう、なぜなら彼に友達などいない、
「あ、はい」
「そうなんですね〜!」
彼は、ぼっちを隠すため、嘘を付いた、
「お会計1307円です〜」
「ありがとうございました」
会計を終えると彼はパッと帰った、