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「それで…相談って、何だい?まさか…まだあの男に付きまとわれているのか…?」
午後3時。遅番だったため、普通ならお昼を食べ終え、おやつの時間にするであろうこの時刻に休憩になったのであった。
私たちが移動したのはお店から少し歩いたところにある小さなラーメン屋。
わざわざ休憩室で食べるのを拒んだのは言うまでもない。
素の自分で話せなかったからだ。
注文を終えた頃、やっと落ち着いたという感じで店長が口を開く。
心配そうな口調と対照的に、私は淡々と答えた。
「あの男?ああ、そんなのいましたね。でも、そんなやつはもうどうでもいいんです。」
愛らしい笑顔の仮面を外し、素っ気なく反応する。
何だろう、この感覚。まるで水の中に潜っていて、やっと呼吸ができた、とでも言うのだろうか。
つまり、すごく楽になった。
「え?じゃあ、本当に仕事の話かい?」
「そんなわけないじゃないですか。店長、ほんとに鈍いですね。相談、というのはただの口実ですよ。人前でああ言っておけば、二人でご飯いくことに疑問もたないでしょう?私は、店長に別の用事があったんです。」
「あ、ああ…なるほど。」
目をまんまるくして、呆気にとられた表情をする店長。
私は、ふぅ、と息を吐くとじっと店長を見つめた。
「それとも…周りに、私との仲を疑われた方がよかったですか?」
「なっ…そっ…それは困るな…」
いちいちあわてふためく姿が見ていて退屈しない。
私の中では、すっかり店長をからかうことがマイブームになっていた。
「私だって、この若さで不倫を疑われるのは嫌ですよ。しかも店長となんて。あははっ…」
爽快に笑いながら、がっくり肩を落とす店長を横目にまだ氷が溶けていないお冷やを喉に流し込む。
ひんやりとした喉ごしを楽しんでいると、ふと視線を感じた。