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コメント
1件
うわっ、コレ……一気に不穏な方向に加速したな。第4話、読了したわ。 マサシの豹変、マジでキツかった……「死んでくれ」ってあの軽い口調で言われたらそら困惑するよな。でも翔太の「よしよししようとする」クセ、笑ったけど状況を悪化させてて草。栞里のビンタと名探偵ムーブはマジでカッコよかった。連続殺人鬼の正体がマサシって確定したの熱いな。次どうなるんだこれ……続きが気になりすぎる🔥
#現代
ぽたお
198
猫塚ルイ

9,478
122
マサシは、夕日のオレンジ色の中で、ゆっくり僕の方を向いた。
その顔は、なんだか……もう僕の知ってるマサシじゃなかった。
「……ああ、しっかり伝えた方がお前は理解できるよな?」
マサシは笑ってない。でも、どこかスッキリしたみたいな声だった。
「つまり……死んでくれってこと」
僕は一瞬、風の音が止まった気がした。
「え? なんでかな? 意味がちょっと……」
僕が笑おうとした時、マサシは続けた。
「お前がいると、俺はいつまでも栞里とくっつけないんだよ。だから……お前がいなくなれば、栞里は俺のものなの」
ああ、なるほど。なんか理解はできるけど……マサシ、ちょっと頭打ったのかな?
「普通友達にそんなこと言うかな〜」
僕が言うと、マサシはゆっくり首を振った。
「ああ、普通は言わないな。でも――お前は俺の友達じゃない」
えっ?友達第二号なはずなのに。おかしいぞ。わけがわからない。
「俺がお前に近づいたのは、栞里がいつもお前と一緒にいるからだ。……何でお前なんだよ?」
マサシの声が震えていた。
「何考えてるか分からない……気持ち悪いお前なんかに……」
僕は胸がぎゅっとした。気持ち悪い? 僕が?
「え、僕……そんなこと言われたの初めてだよ」
マサシは僕を見下ろすようにして、吐き捨てるみたいに言った。
「なぁもうさ。いっそのこと……あの連続殺人鬼にでも二人で会いに行って、どっちがやられるかゲームでもするか?」
え? うーん? 何言ってるんだろう。ゲームって……命の?
「これなら平等だろ? なっ? いいよな?」
マサシは笑ってない。でも声だけは、なんだか楽しそうだった。
「良くないでしょう! 分からないよ。それなら何でずっと部屋にこもってたの? ねぇ、何で? 教えて? タケル君のこと? 一年生の山田君のこと?」
僕が言うと、マサシはピタッと動きを止めた。
夕日の光が、マサシの横顔を赤く染めていた。
「……タケルの訃報を聞いた時、栞里は俺じゃなくお前を心配そうな目で見てた」
マサシの声は低くて、でも震えていた。
「そこで分かったんだよ。お前の近くにいるだけじゃ意味ない。お前が消えないと……栞里の心は動かない。だから……辛くなってな」
ああ、なるほど。それは……辛いねぇ。
僕はマサシの頭をヨシヨシしようと手を伸ばした。
「よしよし、マサシは頑張って――」
「やめろ」
マサシは僕の手を叩き落とした。
「汚ねぇ手で触るな。……俺は吹っ切れたんだよ」
「汚くないよ! 毎日洗ってるもん」
僕は本気で言ったのに、マサシは僕を見て、笑いもしなかった。
どうやったら前のマサシに戻るんだろう?
やっぱり僕が……。でもそれは栞里が怒るだろうな。
「マサシ! 分かった。僕が直接栞里に言ってみるよ!」
そう言った瞬間だった。
「ふざけんなよ! ゴミ野郎」
バァアン!
景色がぐるっと回って、僕は地面に倒れていた。あれ? 頬が痛い。殴られたのかな。
「余計なことすんなよ!それで栞里に嫌われたら……おしまいなんだよ……」
マサシは僕に覆いかぶさってきた。息が荒くて、目が真っ赤だった。
「ここでっ! お前を! やっちまえば……それで全部うまくいくんだ」
痛い。なんかすごい腹立つかも。
僕も殴り返した。あれ、僕も意外と喧嘩できる!? 青春ドラマみたいで燃えるかも!
その時だった。
「何やってるの!?」
栞里の声だ。
「はぁあ! 栞里……来てくれたんだ……」
栞里はこっちに走ってきて、その勢いのままマサシを弾き飛ばした。
「はぁ! 栞里に触られた……やっと俺のことを見てくれる」
「大丈夫!?」
「ああ! 大丈夫だ!」
「あなたじゃない。大丈夫? 翔太」
「僕は大丈夫。あっ、マサシがね、栞里のこと……」
ガッ。
「痛っ!?」
石? マサシが僕に石を投げつけてきた。
「これ以上言ったら……てめぇの舌、引きちぎるぞ!」
栞里の顔が、ゆっくりと怒りに染まっていった。
「……あんた、本当にクズ。もういい。私はあんたなんか好きにならない。一年生の時も言ったよね?“私たちに近づかないで”って」
栞里はマサシにビンタをした。
バァアン。
夕方の空気が震えた。
「あああ……そっか。そうなんだ」
マサシは笑っているのか泣いているのか分からない顔で、ゆっくりと立ち上がった。
「じゃあ……いいや。壊してやる」
その声は、もう僕の知ってるマサシじゃなかった。
「栞里いつから居たの? あと栞里強いね」
僕が言うと、栞里は息を切らしながら僕を睨んだ。
「部長に“トイレにこもってるって伝えといて”って言ったでしょ? 嘘、下手すぎです! あと女の子に強いって、それは失礼かもよ!」
なるほどぉ。もっと上手くならないとな……。
栞里には本当に何でもお見通しだ。
「何イチャイチャしてんだよ!」
マサシが叫んだ。声が割れていた。
「絶対壊す。お前ら二人とも……」
栞里は一歩前に出た。夕日の光が、彼女の横顔を赤く染めていた。
「私、分かった。連続殺人鬼の正体。マサシ、あなたでしょ」
えっ、栞里すごい。名探偵みたいだ。
「すぐ人に手を出したり、“壊す”とか言ったり。
連続殺人鬼はいつも夜に出るの。ニュースで見たわ」
「なんか名探偵みたい!」
「翔太。少し黙っててね」
あっ、はい。
「マサシのお母さんと翔太が話してるのも聞いた。最近、夜よく外に出てるらしいじゃない?
決まりよ」
マサシは一瞬黙った。そして、乾いた笑い声を漏らした。
「はぁっ、はは! 分かったよ! そうだったらお前はどうするんだよ? 警察に突き出すか?」
栞里は迷わず言った。
「あなたは翔太を殴った。だから私は……あなたをもっと苦しめてから警察に差し出す」
「苦しめる?やってみろよ」
マサシは笑っていた。でもその笑顔は、もう人間のものじゃなかった。