「はぁー、もう無理…」
「あめは体力無さすぎ」
「しょうがないでしょ…」
今日の授業はある程度の回復を出来るようにする授業だった。だが、あめは何故か逆に体力が無くなったらしい。
「初めて見た。体力回復の魔法で逆効果になった人」
「まさかこうなるとは…」
「まあ魔道士だし、当然っちゃ当然な気もするけど」
「いや、魔道士だからこそ使えないとやばい気がするけど」
「なら頑張って?」
「鬼…」
「お、信号機じゃん!」
「だれが信号機ですか、 」
「ねむさん、また甘いの…」
「中級魔法使いは糖分で出来てるのからね!」
「いつか糖尿病になりそ…」
僕達がこんなたわいもない会話をしている時に、生クリームやらスイーツやらを山乗せしたパフェを持って来たのはねむ。本名はネムフィア・キュート。教育実習生ではないが、父親が学校の理事長のため、たまに学校に来ては授業の手伝いをする先生。のはずだが、煽ることが大好きで、少し、いや、だいぶ頭が痛くなる人。 なのだが、あめは結構ねむの事を慕っているらしい。
と、その時ねむの小さな結晶が赤く光った。どうやら電話がかかってきたらしい。
「出ないんですか?」
「んー。別に大丈夫かな」
ねむは少し困ったような誤魔化したような笑顔で答える。
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ねむ視点
辺りはもう暗くなり、人っ子一人居ない時間になった。街灯が微かな光りを放し、立ち並ぶ静かな歩道を歩き、家の前に着く。
「ふう」と息を吐き、静かに玄関の扉を開く。
靴を脱ぎ、視線を上に向けると、リビングの電気がついていることに気がついた。お風呂に入る前に帰ったことだけでも伝えておこうか。
ガチャっとリビングの扉を開け、「ただいま」と言おうとした声は遮られた。
「あんたはあの子のことを何も知らない!」
声を遮った正体は母の声だった。
「だから、あの子はもう…」
「うるさい!何も知らないくせに!」
「あの子はいつまでも私の可愛いお姫様なの!」
………。静かに扉を閉めた。
服を脱ぎ、三つ編みを解こうとした時、リビングから声が聞こえてきた。
「一生可愛いお姫様なの!!!!」
三つ編みを解こうとした手が震える。
「ボクは………」
「かっこよくなりたいのに………」三つ編みの結び目に付いている黒いリボンを握りながら呟いた。
登場人物
ネムフィア・キュート
→ねむ
27歳
身長153cm
性別:⬛︎⬛︎
中級魔法使い
人を煽ることが好き
ピンクの髪と目。左側に三つ編みをしており、結び目に小さな黒いリボンを付けている。
キャライラスト↓
画質悪くてすみません