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「さっきの笹の件だけどね.. アレは、私以外が触ると不幸が起きるのよ。」
「不幸が…?」
「そう。だから、絶対に触らないで欲しいの!! 私、いつも小さいのを持ち歩いてるんだけどね…」
「アレには、特別な効果があるのよ。私以外が触ると、途端に駄目になるんだけどね。だから…」
“絶っっっ対に触らないでよ???”
菜摘は、その言葉を物凄く強調してそう話した。
僕は、絶対にそれを守ると誓った。
すると、真剣な顔をしていた菜摘の顔が、少し優しくなった。
「侑里なら守ってくれる…. 侑里、なら…!」
「! 絶対守る…!」
「でも…」
菜摘は、辛そうな顔をしてうつむいていた。
僕は、その横顔を見つめることしか出来なかった…
菜摘はその体勢のまま、僕に話した。
「前までの人は、この約束、誰一人守ってくれなかった…」
「前までの人…?」
「うん…」
前までの人って、何のことだろう….?
僕にはまた、菜摘の言っている事が理解できなかった。
だけど、菜摘の話には続きがある。
「この笹、絶対触らないでねって言ったのよ。なのに….!!」
「!…」
菜摘は、いまいましげな顔をして話していた。とてつもなく悔しい思いでもしたのだろうか… “その人”によって…
――菜摘いわく、これは過去の話で、何度もあった事らしい。
今でもずっと、悔やみ続けているという。
「あの時、もっと忠告しておけば良かったの… 私のせいだわ…」
「! 菜摘…」
「…. だから… 私、侑里のこと… 信じてるからね…?」
「!!」
「約束。守って… くれるよね?」
「僕は、菜摘からの約束なら何でも守るよ!嘘なんてつかない!絶対に…!!」
「、、ありがとう..!じゃあ、指切りげんまんして…約束ね?」
「うんっ。」
そう言って、菜摘は僕に指を出した。僕も、それに従って指を出した。
準備は整った。
「じゃあ、行くよ?せーの」
指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲〜ます 指切った
「侑里がもし、もしも嘘ついたら…」
“針千本飲むより、辛い思いするって思っといてね??”
「!分かった。」
「お願いね…!」
「うん、約束!!」
菜摘…. 針千本飲むより辛い思いって何のことだろう…?
恐ろしいな… まあ、約束を守れば良いんだ!それなら、僕にだって出来るはずだ!
菜摘のためなら…. 何だってする!!
この思いで、菜摘を幸せにして見せる!! そう思った。
――菜摘を幸せに….??
よく考えれば、ちょっと変なこと考えてたな…
何言ってんだろ、僕。幸せにするって、付き合ってるみたいじゃん。
「…!」
またこんな事考えてる… 僕、どうしちゃったんだ?
自分でも変なことが分かる。
あぁ、嫌だな… 菜摘のことで、色々悩みこんでしまう自分が。
そう思っても、どうしようもないんだ。
「それじゃあ、今日はそろそろ帰りましょ。」
「そうだね…」
ここに来る前は「怖い..、行きたくない…!」って思ってたけど、いざ来てみるとめっちゃ楽しかったなぁ!
菜摘、そんな怖い人じゃなかった。ちょっと雰囲気が怖いと思われるだけで、性格とかは大丈夫だった。
僕はちょっと安心した。また、ここで今日みたいに話せそうだと思ったから。
あんなに話したくないと思っていたのに、今は帰るのが嫌なくらいだ。
人の感情の変化 って凄いなぁー…
僕はそう感じた。
「じゃあ、またここ来ようよ!」
「そうね。でも、明日は学校行くのよね??」
「行くよ。」
「それなら、帰り道にまた話せるね。」
「だけど… 僕が絶対、あの時間にあの場所に居るわけじゃ無いよ?」
「大丈夫!私は侑里の居場所が分かるのよ〜」
「えっ!?」
そんな、そんなわけ….!!
怖い怖い怖い!!居場所が分かる!?そんなの….
「私… 特別だから。」
「侑里と出会って…ここに来た限り、私は侑里の居場所が分かるのよ。絶対にね。」
「そ、そっ か…!(怖いな…)」
「だけど、安心して!侑里が家に帰ったら、私のその魔法は切れる。だから、家に帰ってからは分からないわ。」
「何か不思議だな…」
「ふふっ。じゃあ、また明日ね。もう遅いから。」
「うん!じゃあバイバイ!」
「あ、ちょっと待って!」
菜摘は、家に帰ろうとする僕を呼び止めた。
「侑里、一人で帰れる?」
「え?帰れるよ?」
「でも、怖がりじゃないの?大丈夫?こんな暗いのに。」
「うっ…. それは….」
「だよね。じゃあ、家まで送っていってあげる。」
「….!ありがとう!」
「あ、ってことは、家分かるんだよね…」
「もちろん。」
家まで知られてるんだ…
恐ろしいな… だけど、詐欺にあったりするわけでは無いだろう。
菜摘はそんな人じゃない、はずだ…
普通の人間では無いことは確実だけど、見た目ややっていることにおかしい部分は無い。
この魔法がとんでもないのだが…
・・・
そして、僕は菜摘に家まで送ってもらった。
そこでお別れをした。
「まさか夜に会うとは思わなかったけど、楽しかった!」
「そう?なら良かった!そう言ってくれる人、侑里が初めて!」
「え〜!マジか…」
「でも、楽しんでくれたなら良かったわ!また明日、楽しみにしてるね!」
「うん!普通に帰っとけば良いんだよね…?」
「そうよ。」
「分かった!じゃ、また!」
「うん!バイバイ!!」
「バイバイっ!!」
僕は、菜摘が見えなくなるギリギリまで手を振り続けた。
菜摘は、そんな僕に優しく微笑んでくれた。
やっぱり、菜摘には特別な魔法がかかっているんだ。
そんな人と出会えて良かった…!!
「ふぅ…」
僕は、菜摘が去ってからもしばらくの間、にやにやしてしまった。
素敵で、不思議で、怖い人….
夜眠るまでも、僕はずっと菜摘のことを考えていた。
こんなに誰かのことを考え続けるなんて、これが初めてだ..
急に、何だか 変な気持ちになってしまった。