プロローグ
水平線と地平線。
海と空の境界線。地面と空の境界線。
空というのは広いと感じた。
空をみていると、和やかで清らかな気持ちになれる。
俺はそんな空が好きだ。
帰り道のゆうやけ。
日が沈んできた。
夕飯の買い出しをしに商店街へゆく。
商店街の人達の付き合いはとてもながい。店には知り合いばかりだ。
[おっ!坊主ー!!今日は魚が安いよー!]
とか、
[あらぁ!空綺君!コロッケおまけするよー!]
など。
[じゃあ、コロッケもらいます]
[まいど!今日顔色悪いんだから、コロッケ食べて元気だしな!]
どうやら見抜かれていた。
[本当にありがとうございます]
買い物を終え、家についた。
人はいない。
高校生で独り暮らし。
気まぐれで始めたことだった。
ひとりだと、大変さがよくわかる。
[俺は、誰かに支えられていたんだな]
親友とは高校を離れた。
知人はいない。
親ももういない。
大切な人なんて呼べる人がいないんだ。
商店街の人は親切で、ただで食材をくれたりする。
先生は、熱心に勉強を教えてくれる。
だけど、それだけじゃーーー
コロッケだって、帰り道に友達と一緒に二人で食べたかった。
先生に分からない問題を一緒に教えてもらって、[教えてもらってもわかんねーw]とか、他愛もない会話をしたかったんだ。
[友達…作らないとな]
ベッドに体重をあずける。
やはり、落ちつかない。
[俺って生きてる価値…あんのかね]
なんか生きてるって分からないし、死なんて分からない。
[夕飯つくろ]
今日はコロッケとご飯に振りかけを、そして焼き魚。
ご飯はうまいが、なにかが足りない。
味は抜群なんだが。
その正体すら分からなくてーーー
寝たら、また明日がやってくる。
毎日をこんな感じで過ごすんだ。
明かりを消して、眠りについた。
コメント
5件
絶対面白いじゃあん
神作がまた、、!