月日が流れる事に吸血鬼に似てくる自分を見て、絶望する
1番、困ったのは血が欲しくなった事だ
僕にとって人を傷つける事はしたくない、、いや、してはいけないことだ
なのに、探偵社のみんなを見ると、噛みつきたい。血を吸いたい。傷ついて欲しいと、心の奥底の黒い部分が叫ぶ
僕は、それを抑えるために、自分の腕を噛んだ
細く、肉ずきの悪い腕から、赤い血が流れ落ちる
それを飲むと少し楽になったような気がした
僕にとってこれは、最後の砦だった
僕はこの事を探偵社の皆には言わず、自分の中だけに留めていた
そんな、ある日 谷崎さんに、最近起きてる通り魔の事件を聞いた
その事件は、若者を裏路地に連れ去り、血を吸うというものだった
谷崎さんは、「まるで吸血鬼みたいだね、」と苦笑していたが、僕はそれを返せるほどの余裕はなかった。
この事件は乱歩さんと、太宰さんと、国木田さんが担当することになった
僕にとってそれは実質、死刑宣告と言ってもいいほどの物だ
乱歩さんにかかれば、直ぐに解決するだろう、、
僕は憂鬱なまま一日を終えた
次の日
僕は、乱歩さんに呼び出させた
冷や汗を書きながら、僕は少しの望みをかけて乱歩さんにたずねる
敦 「えっと、なんででしょうか、」
乱歩 「いいから早く来て」
その目は無で、僕に拒否権が無いことは歴然としている
僕は素直について行った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あまり人が来ないところで、秘密の話をするにはもってこいの所だろう
乱歩 「なんで呼ばれたかわかる?」
敦 「、、、」
乱歩 「なんで皆に言わなかったの?」
敦 「怖かったんです、、皆さんを傷つけるのが、」
僕は、震えた声で言う
乱歩さんの表情は変わらない
バカにするでもなく、罵るでもなく、僕の話を正面から受け止めようとしてくれた、
それは、今の僕に1番刺さる事だった
敦 「乱歩さんは、いつから気づいてたんですか?」
乱歩 「違和感を感じたのは結構前から」
敦 「そうですよね、乱歩さんは全部お見通しですか、、」
乱歩 「そりゃぁ、名探偵だもん!」
敦 「、、、」
敦 「乱歩さん、僕はどうすればいいですか?」
乱歩 「そんなの知らないよ」
敦 「、、、僕は、探偵社を辞めるべきでしょうか、」
乱歩 「別に、僕が決めることじゃないし、それは敦が決めることでしょ」
敦 「それでも、僕がいると社の評ばn」
太宰 「なんの話をしてるの敦君」
ハッ!っと気づくと扉の前にはにこにこした太宰さんが僕らの方にゆっくりと歩いてきていた
太宰 「こんな所で内緒の話ですか?」
乱歩 「別に、太宰には関係の無い話だよ」
太宰 「え〜、そうなの?敦くん、」
敦 「えっと、、はい、」
太宰 「へ〜、私はてっきり連続通り魔事件の話かと思ってたんだけどなー、」
敦 「!?」
太宰 「あの犯人って敦くんだよね」
敦 「、、、」
敦 「、、はい、」
太宰「うーん、何かの異能力って訳では無いんでしょ?」
敦 「おそらく、、」
太宰 「なら、解決策を探しに行かなきゃだね、じゃあ、聞き込み調査とでも行こう!」
敦 「、、、え?」
乱歩 「社長には僕から言っとくよ」
太宰 「ありがとうございます。乱歩さん」
乱歩さんは、直ぐにトコトコと扉の先へと早歩きで出ていく
太宰さんは、僕の方を向いて「じゃあ、行こうか敦くん」とまたもや笑顔で言ってきた、、
、、、太宰さんには、敵わないな、、
僕は、人知れず苦笑した
コメント
1件
あぁ〜まじ天才ですか?天才ですね!! ほんとにこの話面白いし大好き!!