テラーノベル
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神社の境内に着いたジンは、目の前の光景に言葉を失った・・・
何百人ものふんどし姿の男達が、気合いの雄叫びを上げながら巨大な神輿を担いでいる、筋骨隆々とした漁師、農家の荒くれ者達——
境内は人の熱気で揺らめき、朝の清々しい空気が男達の吐く息と汗の匂いで重く、熱く変わっていく
地面を踏みしめる地下足袋の音、怒号、掛け声、太鼓の音、舞い上がる土煙り、全てが混ざり合い、まるで戦場のような喧騒を生み出していた
その中心には、高さ五メートルはあろうかという四基の巨大な神輿が、互いに睨み合うように配置されていた
黒光りする欅の木材、金箔を施した豪華な装飾、龍や波の彫刻——それぞれの神輿が、まるで伝説の生き物のように威圧感を放っている
西の臙脂、東の紫、北の黄、南の黒、四つの飾り立てられた神輿が、それぞれの色のしめ縄で施され、獲物を狙う猛獣のように相手を見据えていた
「あれが神輿や!古今東西よっつの神輿があるやろ!」
「えんじの神輿が西の土地に住む者、ワシらじゃ!キレイじゃろ!」
誠一郎が誇らしげに指差した、その目は、まるで恋人を見るように神輿に注がれていた
「喧嘩祭りって・・・本当に喧嘩するんですか?」
ジンの声は震えていた・・・もはや逃げられないと分かっていても、確認せずにはいられなかった、
「せや、神輿同士をぶつけ合うんや、激しければ激しいほど氏神様が喜ぶ、厄を払い、福を呼ぶ、それが淡路島のこの祭りの伝統や!!」
誠一郎の声には一切の迷いがなかった、むしろ誇りと情熱に満ち溢れていた、屋台で焼きそばを食べ、金魚すくいとやらをしてみたかった、そんなジンが想像していた平和な光景はどこにもなかった
あるのは狂気じみた熱気と、今にも爆発しそうな闘志だけだった
コメント
2件
祭りの熱気が凄い🔥 ジンさんご無事のお帰りをー! ご武運を祈ります‼️ 祭りの後は、桜ちゃんとの縁日デートよーー😭
(゚A゚;)ゴクリ ジンさーんケガしないでね😣 終わったら焼きそばでもりんご飴でも金魚すくいでも何でも買ってあげたい😭