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両親は、犯罪者だ。
それに気づいたのは、小学生2年生の頃だった。
冬休みに山奥の別荘に泊まりに行ったとき、夜中に尿意を覚え、布団から抜け出してトイレに向かって歩いていた。
(そういえば、ママとパパ、今日は星が見えるかもって言ってたな)
近くの窓から空を見上げ、可能な限り首を動かして空を確認したが、星らしきものは見つからなかった。
がっかりして何気なく地上に目をやると、玄関横のガレージから灯りが漏れていることに気付いた。
今思えば、この行動が私の人生を変えたのかもしれない。
両親が作業してるんだな、と気付いてもスルーしたらよかったのに。
どうしても気になった私は、クリスマスにもらった白い上着を羽織ってそっと玄関の扉を開けた。
そのまま足を忍ばせガレージの扉の前まで行くと、重い「なにか」を引きずる音がした。
両親のどちらかが怪我をしているんだ!と思い込んだ私は思いっきりドアを開けた。
私がドアを大きく開けるのと、「父親がなにかに向かって大きなオノを振り上げる」のが同時だった。
その瞬間、生暖かいものが私の頬に飛び、白い上着をじわじわと紅に染めた。
その感触は今でも忘れない。
ガレージの床に目をやると、そこには
「腹部を裂かれ、大量出血した人間」
が転がっていた。