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あっと視点
放課後、俺は、ちぐの言われた通り屋上に来た。ドアを開けると、ちぐがいた。
「あっとくん、来てくれてありがとう」
「別にいいけど」
「あっとくんが知りたいのは、何故卵焼きが食べちゃ駄目なのかでしょ?」
「そうだよ」
「俺だけ、卵焼きを食べちゃ駄目なんて、おかしい」
「そうだよね、あっとくんも思うよね」
「ちぐ?」
「俺もね、食べちゃ駄目な食品、あるの」
「・・・聞いてもいいか?」
「それはね、目玉焼き」
「そうなんだ、でも、なんで?」
「それはこっちこそ知りたいよ、でも、家族のみんな、教えてくれないんだ、使用人さえも」
「そうか、俺も同じ気持ちだ」
「…よかった 」
「その気持ちが分かってくれて」
「ちぐ?」
「とりあえず、いすに座りなよ、立ってるのもなんだし」
「そうだな」
ちぐに言われるまで、逆になんで気づかなかったのだろう?まあ、別に立ってるのは苦じゃないけど。
「あっとくん、俺達が初めて会ったときって、覚えてる?」
「俺の記憶では、公園だけど…」
俺は、ご当主様に指摘されたので自信はない。ので、俺の記憶と言っている。ちぐなら、何か知ってそうだけど…
「本当のことを教えるね」
「いいのか?そんなに容易く話して?」
「いつかは言っときなって、お母様、ご当主様が言ってたし」
「ということは、人魚の一族にも関係あるのか?」
「別にそこまでじゃないけど… 」
「まあ、言うね」
「俺達が最初に会ったの、俺達が5歳の時のパーティー」
「えっ…?」
予想外の回答が返ってきた。まさか、ちぐに最初に会ったのは、俺が5歳のときのパーティーだったとは。