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すごい素敵です。フォロー失礼します。
私達は花岡姉妹が行方不明になった心霊スポットに行ってみることにした。そこは薄暗く、壁中には落書きがしてあった。「こ、怖いねぇ」怯えたように莉央は言う。私達は心霊スポット内を何周も回ったが特に変わったことは無い。「探してもなんも見当たんないじゃん!」雅人はイライラしたのか煙草を吸い出した。「やめなよ。体に悪いよ」佳恵は雅人の煙草を取り上げた。「チッ」そう舌打ちをして雅人は歩いて行った。「雅人変わったよね、なんか怖くなったっていうか…」「そりゃ変わるだろ20年も経てば誰だって」佳恵と隆二は軽蔑するような目で雅人を見た。「ねぇ見て!」そう声を上げたのは彩月だ。彩月が持っていたのは1枚の手紙だった。紙は何年も経ち茶色くなっていた。「これがどうしたんだよ?」隆二は眉間にしわを寄せながら彩月に聞いた。「ここ!薄かってるけど花岡 真理って書いてある」「ホントだ!」莉央は嬉しそうに言った。手紙を開けるとそこにはお母さん宛のメッセージが書かれており、文中には「日向パークで美味しいカレーを食べる予定だよ」と書いてあった。「ってことは日向パークに何かあるかもってことだよな?」隆二は興奮して満面の笑みでこちらを見ている。「た、多分ね」彩月は手紙を見つけられたことに驚いたのか少し声が震えていた。
私達は日向パークに着くと酒井 栄作(さかい えいさく)という日向パークに30年以上務めているベテランの方に話を聞いた。「確かに見たよ。でも2人だけじゃなかったような…」栄作さんは20年も前のことを必死に思い出してくれた。「2人じゃない?!」雅人は栄作さんの言葉を信じられない様子だった。「爺さんしっかりしてくれよ。幻覚でも見たんじゃないのか?」雅人は栄作さんをからかう様に言った。「いやほんとだよ。男性数名と一緒にいたんだ。」「ということは花岡先輩達はその男性に殺された?」「やめてよ!そんな事ないって」彩月と莉央は動揺を隠せない様子だった。そんな中隆二は1人冷静で海を眺めていた。私はもしやと思いながら慎重に聞いた。「隆二、もしかして何か知ってるの?」隆二は何も言わなかった。「隆くん?」「芥川くん、それほんと?」何度言われようと隆二は答えなかった。「おい!隆!聞いてんのか」雅人は隆二の肩を思いっきり押した。「ちょっと!」割り込むように佳恵は言った。「ごめん…」隆二は静かに謝った。私は耐えられず言った。「なんで私達を呼んだの?」隆二はじっとこっちを見る。「事故だったんだ…仕方かなったんだ…」隆二は涙を流した。
俺は夢葉が好きだった。花岡先輩は秋なったら東京にいる病気のお母さんのところに看病しに行くことになっていた。それで夢葉も行こうと思っていたらしい。俺は嫌だった。東京に行ったらかっこいいやつが沢山いる。夢葉を取られるって怖くなった。だから俺はこれが最後になるならいい思い出を作ろうって思ったんだ。それで夢葉達の後を追った。日向パークに着いた頃、夢葉達が海を眺めているのを見ていると後ろから「よっ!」と先輩に声をかけられた。その先輩は夢葉達を見てこう言った。「むっちゃ可愛い!ナンパしようかな」許せなかった。邪魔をされた怒りと夢葉を取られっていう不安でいっぱいだった。でも止められなかった。先輩は夢葉達のところに行き誰も見つからない場所に誘導した。夢葉と花岡先輩が静かに海を眺めていたら先輩は後から2人を抱きしめようとした。それに気づいた夢葉は驚いて振り返りバランスを崩して海に落ちた。それを見た花岡先輩は怒って先輩と揉めていた。先輩は花岡先輩に押されて海に落ちそうになり、花岡先輩の服を引っ張った。そして2人とも落ちたんだ。
「私たちを呼ぶ必要あった?」隆二は笑った「この地獄から抜け出したかった。見つかるならお前らがいい」そう言って隆二は崩れ落ちて行った。この事は私達だけの秘密したはずだったが雅人はジャーナリスト結果を出せず困っていたらしくこのネタで記事を書き結局世間に出回ってしまった。しかし隆二は前よりも笑顔に見えた。