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「…お前にも…いつか心から好きになれるやつが現れる。そいつと幸せな婚約ができることを願ってる。」
「んんんっ。私たち、いるんだけど……。」
「花月、緑川と結婚するの?」
「え、いや、私はその……。」
「花月は俺と結婚すんだよ。聖なんかに任せられるか。」
「何、堂々と公開発言してるわけ。大体、あんたたちに花月を渡せるわけないでしょ。」
「花月ちゃん、赤羽くんより緑川くんのほうがいいと思うよ。」
「いや、だから私は……」
「スー……。」
「楓様、眠ってる……。」
「寝顔は年相応だね。」
「……きっと疲れたんですよ。たくさんのことがありましたから。」
「ていうか、本当にそいつ引き取るのかよ。マジで手かかるぞ。それに悠夜たちが……。」
「うーん…それは……」
「それは…?」
「お願いするしかないですね。」
「…俺も協力する……。」
「得点稼ぐなよ。俺が言えばあいつらも……」
「藤林先輩も黄之竹先輩も大変だね、こんなのと一緒に暮らしてたら。」
「んだと…。」
誰も気がつかなかったみたいだけれど、劉磨さんの言葉に、楓さんの手がかすかに震えていた。きっと彼女自身も不安がまだあるのだと思う。
それでも……少しでも…信じてもらえるように…安心してもらえるように尽くしたい。
彼女が彼女自身を取り戻せるように……